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2012年11月01日
糖尿病の食事療法は新たな時代に 病態栄養セミナーを開催
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- 食事療法
武蔵野フーズは10月に東京で「第11回病態栄養セミナー」を開催した。適切なエネルギー量を、栄養バランスを改善しながら、規則的に摂取することが食事療法の基本であることが示された。
自宅で手軽に栄養を管理できる宅配食サービス
食事療法は糖尿病の治療の中でもっとも重要だ。しかし、長期にわたり継続するのは、毎日のことでもありなかなか難しい。糖尿病の食事療法をお手伝いしようと、現在では便利な宅配食サービスが提供されている。
武蔵野フーズの「健康宅配」は、自宅で簡単に栄養管理ができるよう作られた、エネルギーや栄養バランス、タンパク質、塩分を調整した調理済み宅配食だ。
糖尿病や腎臓病などの食事療法を栄養学的に適正化するためのガイドラインである「食事療法用宅配食品等栄養指針」にもとづき、管理栄養士がメニューを作成している。栄養成分値が毎食表示されており、安心して利用できる点も魅力的だ。
「健康宅配」は衛生管理された工場で、調理工程に工夫を凝らし、おいしさを追求して製造されている。製造から宅配までの管理システムが一貫しており、安心して利用できる。
献立に季節のメニューを取り入れてあるだけでなく、食材にもこだわっているのが特徴だ。特に野菜の生産では、土作りから科学的な視野にたって土壌検査を行い、減化学肥料と減農薬を進め、埼玉県知事によるエコファーマ認定を取得している。
食事療法の新たな動向「カーボカウント」
当日のセミナーでは、『日本人にふさわしい糖尿病食事療法を考える』と題し、石田均・杏林大学医学部第三内科教授が講演した。
糖尿病の治療は、食事療法と運動療法、薬物療法の「3本柱」でかたちづくられるが、なかでも食事療法は、すべての患者が取り組まなければならない基本的な治療だ。まさに「食事療法は治療の基本であり出発点」といえる。
食事療法では、日本糖尿病学会編集の『糖尿病食事療法のための食品交換表』(『食品交換表』)がその指導に広く用いられている。石田教授は食事療法の役割について、「(1)健康人と同様な生活を送るために必要な栄養補給、(2)代謝異常を是正し、血糖、糖質、血圧を良好に改善すること、(3)合併症の発症・進展の防止」と説明した。
一方、近年、欧米で開発された「カーボカウント」による食事療法が日本でも広がりをみせている。外食や中食時にも応用しやすいことから、患者の食事の自由度や利便性が増すと考えられ、取り入れる施設が増えている。
カーボカウントとは、食事に含まれる炭水化物の量を計算する方法だ。炭水化物は食事の総エネルギーの55〜60%を占めることが多く、消化・吸収が速いことから、他の栄養素に比べ食後血糖に大きな影響を及ぼす。糖質量を知ることができれば、食後の血糖値上昇の度合いを知ることができるので、食後の血糖コントロールが安定し、さらにはインスリン療法中の症例では使用する単位数の決定が容易となると考えられている。
適正な栄養バランスを理解する必要性
「適切なエネルギー量を、栄養素のバランスを良くしながら、規則的に摂取することが基本」と語る石田教授は、食事療法の実施にあたって、まずは『食品交換表』を用いて指導することが重要と主張。そのうえで、一人ひとりの患者に合わせて、カーボカウントを導入するか否かを選択すべきとの見解を述べた。
カーボカウントには、(1)基礎カーボカウントと、(2)応用カーボカウントの2つの段階がある。(1)はすべての糖尿病患者が適応であり、食品に含まれる栄養素と食後血糖値の関係を把握し、糖質を規則正しく摂取するトレーニングの段階、(2)は強化インスリン療法中の糖尿病患者が適応となり、(1)を学んだ後、食品中の糖質量と超速効型/速効型インスリン投与量を調整できる段階と解説。
導入に当たっては、まず『食品交換表』に基づいた栄養素の質と量の良好なバランスに関する患者の理解が得られていることを前提とし、その上で(1)の説明と指導を実施、さらに強化インスリン療法患者であれば(2)へ進む点を強調した。
これらの考えは、新たに作成する指導書や、石田教授が編集委員会委員長を務め進められている『食品交換表』の改訂にも盛り込まれる予定だという。
また、石田教授は、極端な低炭水化物食が動脈硬化を引き起こす危険性があることや、脂質やタンパク質のエネルギーが過剰になった食事内容が総死亡や心血管イベントの発生を増加させることを示唆した研究を紹介。適正な栄養バランスを理解する必要性をあらためて説明した。
武蔵野フーズ ムサシノ食品健康宅配本部
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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