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2012年11月05日
ダイエットのリバウンド対策は「早めが肝心」
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- 食事療法

キールナン氏は無理なく続けられるダイエット法を考案し、8週間の体重維持のスキルを習得するためのプログラムを作成した。
プログラムは女性を対象としており、▽毎日食べたものを記録する、▽野菜や果物の摂取量を増やす、▽運動や身体活動の量を増やす、といった戦略が用いられ、1回90分のダイエット教室が8週間行われる内容になっている。
その他にも無理なくダイエットを続けられるよう、プログラムには
- 高脂肪・高カロリーの食品と同じようにおいしく食べられる低脂肪・低カロリーの食品を探しておく
- 少量であれば高脂肪・高カロリーの食品をときどき食べてもよい
- 体重計で体重を毎日計り、その推移を記録しておく
- 2.3kg(5ポンド)程度の体重の増減であれば許容範囲内とし、それ以上は増やさないように努力する
- 長期の休暇などに、食べすぎたり運動不足が続くと体重が増えやすいので、事前に対策をたてておく
- 目標としていた体重に到達していれば、少し食べすぎても大丈夫
こうした減量プログラムを、ダイエットを開始する前に学習しておくと、実際に減量を開始してからのリバウンド防止に役立つことがあきらかになった。
研究チームは、過体重または肥満の女性267人を無作為に2グループに分けた。ひとつめのグループにはダイエットの前に8週間のスキル習得のためのダイエット教室を実施し(介入群)、もうひとつのグループにはダイエットの後にダイエット教室を実施した(対照群)。
28週間の全プログラム終了後1年間は一切の介入を行わず、その間の体重の変化を比較した。
28週間後の体重減少は両方のグループで同程度であったが、1年後にリバウンドした平均体重は、ダイエット教室を後に実施したグループで3.2kg(7ポンド)だったのに対し、先に実施したグループではわずか1.4kg(3ポンド)であることが確認された。
また、体重の5%が減少し、1年間で2.3kg(5ポンド)以上リバウンドしなかった女性の割合は、スキル習得プログラムを先に実施したグループで33%だったのに対し、後に実施したグループで18%だったという。
肥満は心臓病や糖尿病などのさまざまな疾患の原因となる。肥満の人の体重を5〜10%減らすことで、心臓病リスクは減少する可能性がある。一方で、ダイエット本やダイエットプログラムが数多くあるが、多くの人は減量にいったんは成功しても、減った体重を保つことができないでいる。
「無理な労力を必要としないリバウンド対策が求められている。減量を望む人に、日常の延長上で小さく迅速な適応を行う方法を学習するのを支援することが重要だ」とキールナン氏はまとめている。
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