ニュース
2012年06月18日
「知っておきたい糖尿病と痛み」糖尿病性神経障害にともなう痛みを解説
- キーワード
- 糖尿病合併症
糖尿病となじみの深い「糖尿病の痛み」だが、その実態や治療法についてはあまり知られていない。ウェブサイト「知っておきたい糖尿病と痛み」では、糖尿病性神経障害にともなう疼痛の薬物療法についても解説している。
糖尿病性神経障害に伴う疼痛は、中枢神経や末梢神経が損傷することによって起こる痛み(神経障害性疼痛)。痛みが長年にわたると、患者の気力や体力が奪われたり、日常生活にも大きなダメージが生じる。痛みのために歩けなかったり、眠れなかったりと、患者本人だけでなく、その家族の人生にも多大な影響を与える。 糖尿病と診断されて平均10年たつ患者の約47%で、糖尿病性神経障害がみられる。うち半数以上に、痛みなどの自覚症状がみられる(日本糖尿病対策推進会議調査)。 ウェブサイト「知っておきたい糖尿病と痛み」は、糖尿病のより良い治療を目指した情報提供活動を行うことを目的に、塩野義製薬、日本イーライリリーが運営し、今年2月に公開を開始した。滋賀医科大学医学部看護学科地域生活看護学講座の安田斎教授が監修している。 糖尿病性神経障害の治療の基本は、血糖コントロールを良好に保つことだが、血糖値と食事・運動習慣の改善に加えて、最近は症状に合わせた薬物療法も行われている。 軽い痛みやしびれを改善する治療では、痛みの症状がある場合には、糖尿病性神経障害にともなう疼痛に適応をもつ鎮痛薬や、抗うつ薬が使われることもある。抗うつ薬による鎮痛効果は、かなり強い疼痛にも有効であることが確認されている。 糖尿病性神経障害は、起こり始めの時期に気づくことがもっとも大切となる。何か症状や気になることがあるときに、すぐに主治医に相談できるよう、同サイトで「痛みチェックシート」をダウンロードし印刷することもできる。
知っておきたい糖尿病と痛み 主なコンテンツ
- 糖尿病とは
糖尿病ってどんな病気?
怖い糖尿病の合併症 - 疼痛とは
一言では言いあらわせない痛みの症状
「急性疼痛」と「慢性疼痛」
苦痛をもたらす慢性疼痛 - 糖尿病と痛み
糖尿病に伴う神経障害
糖尿病性神経障害の症状
糖尿病性神経障害に伴う疼痛の症状とは - なるほど!痛みの治療
糖尿病性神経障害の治療の基本
糖尿病性神経障害に伴う疼痛に対する薬物療法
進行を防ぐ!毎日の足チェック - 痛みチェックシート
- 痛みのない豊かな生活(近日公開予定)
勇気をもって相談編
先生とのコミュニケーション編 - 知っておきたい運動療法の知識(近日公開予定)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
糖尿病合併症の関連記事
- 「糖尿病とともに生活する人々の声をきく」開催報告を公開 医療従事者と患者が活発に対話 日本糖尿病学会
- 糖尿病の人は胃がんのリスクが高い どうすれば対策できる? 胃がんを予防するための6つの方法
- 掃除や買い物などの家事も立派な運動? わずか20分の活動が糖尿病を改善 「座っている時間」を中断して体を動かす習慣を
- ブルーベリーが腸内環境を健康にして糖尿病や肥満を改善 メントールから抗肥満・抗炎症の化合物
- 糖尿病の人は腎臓病のリスクが高い 腎臓を守るために何が必要? 「糖尿病・腎臓病アトラス」を公開
- 楽しく歩きつづけるための「足のトリセツ検定」をスタート 糖尿病の人にとっても「足の健康」は大切
- 緑茶を飲んでいる人は糖尿病リスクが低下 心臓病や脳卒中が減少 緑茶は歯周病の予防にも良い?
- 「糖尿病網膜症」は見逃しやすい 失明の原因に 手遅れになる前に発見し治療 国際糖尿病連合などが声明を発表
- 植物性食品が中心の食事スタイルが糖尿病リスクを低下 心臓血管病・がん・うつ病のリスクも減少
- なぜ男性は女性よりも糖尿病リスクが高い? メカニズムを解明 男性はインスリンの働きを高める対策が必要