エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3不飽和脂肪酸を豊富に含む魚をよく食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、肝がんを発症するリスクが0.64倍に下がることが7日、国立がん研究センターなどの研究グループの調査で分かった。米国の消化器病学会誌に発表した。
がんセンターの研究チームは1995〜2008年の13年間、岩手、秋田、長野、沖縄、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄、大阪の10ヵ所に在住していた45-74歳の男女約9万人を追跡調査。n-3不飽和脂肪酸を多く含む魚をよく食べる人からほとんど食べない人まで5グループに分け、肝がんになるリスクを調べた。
n-3不飽和脂肪酸は、サンマ、サバ、イワシなどの青魚や、マグロやサケなどに多く含まれる。ほとんど食べないグループと比べると、もっとも食べるグループのリスクは0.64倍、2番目に食べるグループは0.84倍、以下は0.86倍、0.98倍と続き、食べる量が多いほどリスクが下がる傾向があった。
肝がんの主な原因となるC型肝炎やB型肝炎ウイルスの感染者に限って調べても、魚を多く食べるほど肝がんになる危険性は低下する傾向がみられた。
多くの研究で、糖尿病や肥満は肝がんの危険性を上げることが報告されている。インスリン抵抗性が肝がんの危険性を高めると考えられている。研究グループは、n-3不飽和脂肪酸は肝がんのリスクを下げる理由について「n-3不飽和脂肪酸には抗炎症作用がある。インスリン抵抗性を改善する作用もある」と説明している。
国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所