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2010年12月13日

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食事療法

新潟県の減塩運動「にいがた減塩ルネサンス」 料理コンクール

 日本人の食塩摂取量は年々減ってきているが、いぜんとして目標量を上回っている。塩分の過剰摂取は高血圧をまねき、脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病などの原因となり、医療費の増加にもつながる。そのため、減塩メニューを普及させ、減塩対策にのりだす自治体もあらわれた。
日本人は食品をとりすぎている
 不健康な食生活や塩分のとりすぎは高血圧の要因になる。平成21年国民健康・栄養調査によると、日本人成人の食塩の1日平均摂取量は10.7g(男性11.6g、女性9.9g)。食塩摂取量は男女とも年々減少しているが、厚生労働省が推奨する「男性9g未満、女性7.5g未満」や、日本高血圧学会が提唱する「6g未満」に比べ、2g以上も上回っている。これは、濃口しょう油に換算すると小さじ2杯強に相当する。

 逆にいえば、食事で塩分のとりすぎを抑えれば、高血圧をうまくコントロールできる可能性がある。「減塩すると食事がおいしくなくなる」と思う人も多いが、必ずしもそうではない。酢や香辛料、柑橘類の酸味、香味野菜を上手にとりいれると、おいしく減塩食を食べられる。

減塩メニューを広め高血圧に対策
 新潟県は昨年度から「にいがた減塩ルネサンス」県民運動を始めた。県の塩分摂取量は全国平均よりやや高い11.5g。塩分摂取と関係のある胃がんの死亡率は全国でワースト4位、脳卒中死亡率もワースト7位であり、対策が求められている。

 そこで県は、「食塩摂取量1gの減少」や「野菜1皿の増加」などを目標に、中食・外食を販売する企業や保健所が連携した減塩メニュー開発や、家庭・レストランなどでの減塩料理の普及に取り組んでいる。

 野菜や果物には血圧を下げる働きのあるカリウムが多く含まれる。県の運動では、野菜を1人1日50〜70g(1皿分)増やすことを目標に、県産の野菜を利用した料理を募集し、「にいがた減塩ルネサンス」メニューとして発表した。

料理コンクールの受賞作品

焼き野菜と白身魚の甘酢ジュレ

茹で野菜の生姜にんにくだれ

 表彰式と入賞作品の試食会を、昨年10月に湯沢町で開催された「健康ビジネスサミットうおぬま会議2009」で実施。最優秀賞に選ばれたのは、新潟市の調理師専門学校の山井英司さんが制作した「丸ごと地場産!丸ごと栄養!旬菜プレート」。

 優秀賞に選ばれた「焼き野菜と白身魚の甘酢ジュレ」は、十日町市のかづや食堂の根津勝治さんが制作した。現在は、同店のメニューとして定着し人気を集めている。

 11月に開催した「健康ビジネスサミットうおぬま会議2010」では、荒川規矩男・日本高血圧協会理事長(福岡大名誉教授)を講師に招き市民公開講座を開き、減塩と高血圧の関係や生活習慣改善の大切さを講演してもらった。

減塩でもしっかりした味の料理を
受賞作品のレシピブックを制作
 新潟では、米・大豆のほか、ネギ、なす、枝豆、里芋、アスパラガス、ソラマメなどの野菜、カキ、ナシ、ブドウ、モモ、スイカ、イチゴなどの果物といった特産品が多い。運動では、こうした地域で生産した農産物を活用する地産地消も支援したい考えだ。

 県は、モデル企業と保健所が連携した社員食堂の減塩メニュー開発や、プロ、アマを問わず参加できる減塩料理コンクールを実施し、その入賞作品を「にいがた減塩ルネサンス料理コンクール」レシピブックにまとめた。

 今年8月に東京の青山スパイラルホールで開催された「塩を減らそう!塩分授業」(主催:「塩を減らそうプロジェクト」)でもPRブースを出展した。「減塩でも味がしっかりついていて、おいしく食べられる」と来場者に好評だったという。

 日本人が1日にとる食塩の多くは加工食品や外食が占める。食品企業や外食産業が足並みをそろえて減塩に取り組めば、減塩効果を期待できる。県民が減塩に向けた適正な知識をもつことも必要だ。

 県健康対策課では「外食では、めん類のスープやだしを全部飲んだり、味付けを確認しないままに卓上調味料を料理にかけたりすることを控えるだけでも、かなりの効果が期待できる」と述べている。

 “腹八分を意識し、体重を適正にコントロールする”、“過度の飲酒は、高血圧の原因となる。飲酒習慣のある人でも、許容飲酒量は1日当たり日本酒1合程度に抑え、週1日以上の休肝日は設ける”といった生活習慣改善も効果的だ。

 県健康対策課では「県民に適正な知識をもってもらい、各地でコンクールの受賞作品の調理実習を開催するなど、減塩に向けた県民運動を推進していく」と話す。

にいがた減塩ルネサンス!始まりました(新潟県)

[ Terahata ]

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