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2010年12月13日
新潟県の減塩運動「にいがた減塩ルネサンス」 料理コンクール
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逆にいえば、食事で塩分のとりすぎを抑えれば、高血圧をうまくコントロールできる可能性がある。「減塩すると食事がおいしくなくなる」と思う人も多いが、必ずしもそうではない。酢や香辛料、柑橘類の酸味、香味野菜を上手にとりいれると、おいしく減塩食を食べられる。
そこで県は、「食塩摂取量1gの減少」や「野菜1皿の増加」などを目標に、中食・外食を販売する企業や保健所が連携した減塩メニュー開発や、家庭・レストランなどでの減塩料理の普及に取り組んでいる。
野菜や果物には血圧を下げる働きのあるカリウムが多く含まれる。県の運動では、野菜を1人1日50〜70g(1皿分)増やすことを目標に、県産の野菜を利用した料理を募集し、「にいがた減塩ルネサンス」メニューとして発表した。
焼き野菜と白身魚の甘酢ジュレ
茹で野菜の生姜にんにくだれ
優秀賞に選ばれた「焼き野菜と白身魚の甘酢ジュレ」は、十日町市のかづや食堂の根津勝治さんが制作した。現在は、同店のメニューとして定着し人気を集めている。
11月に開催した「健康ビジネスサミットうおぬま会議2010」では、荒川規矩男・日本高血圧協会理事長(福岡大名誉教授)を講師に招き市民公開講座を開き、減塩と高血圧の関係や生活習慣改善の大切さを講演してもらった。
受賞作品のレシピブックを制作
県は、モデル企業と保健所が連携した社員食堂の減塩メニュー開発や、プロ、アマを問わず参加できる減塩料理コンクールを実施し、その入賞作品を「にいがた減塩ルネサンス料理コンクール」レシピブックにまとめた。
今年8月に東京の青山スパイラルホールで開催された「塩を減らそう!塩分授業」(主催:「塩を減らそうプロジェクト」)でもPRブースを出展した。「減塩でも味がしっかりついていて、おいしく食べられる」と来場者に好評だったという。
日本人が1日にとる食塩の多くは加工食品や外食が占める。食品企業や外食産業が足並みをそろえて減塩に取り組めば、減塩効果を期待できる。県民が減塩に向けた適正な知識をもつことも必要だ。
県健康対策課では「外食では、めん類のスープやだしを全部飲んだり、味付けを確認しないままに卓上調味料を料理にかけたりすることを控えるだけでも、かなりの効果が期待できる」と述べている。
“腹八分を意識し、体重を適正にコントロールする”、“過度の飲酒は、高血圧の原因となる。飲酒習慣のある人でも、許容飲酒量は1日当たり日本酒1合程度に抑え、週1日以上の休肝日は設ける”といった生活習慣改善も効果的だ。
県健康対策課では「県民に適正な知識をもってもらい、各地でコンクールの受賞作品の調理実習を開催するなど、減塩に向けた県民運動を推進していく」と話す。
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