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2010年11月01日
世界糖尿病デー:ビデオを見て糖尿病患者を救おう「ビック・ブルー・テスト」
- キーワード
- 1型糖尿病 IDF(国際糖尿病連合) 世界糖尿病デー
運動をすることで、体のブドウ糖や脂肪が使われ血糖が低下する。血糖測定を行うことで、運動の効果をあらためて確かめ、運動の習慣化がもたらす恩恵を世界に向けてアピールしようという狙いがある。
キャンペーンは昨年、糖尿病ハンズ財団(DHF)が中心となり初めて実施され、2000人を超える糖尿病患者が参加した。参加者からは「裏庭をぐるりと回ってくるだけの簡単な運動であっても、やるとやらないとでは大きな差があることを実感できた」と賞賛の声があがったという。
プロモーションビデオがインターネットで公開され、ビデオを1回視聴するたびに、途上国の糖尿病の子供を救うための基金に、寄付金が支払われる仕組みになっている。
このキャンペーンを推進しているのは、糖尿病の支援・啓発活動を世界的に展開している「国際糖尿病連合(IDF)」と、途上国の糖尿病患者を支援する活動をオーストラリアを拠点に国際的に展開している「インスリン・フォー・ライフ(IFL)」。

(右)同ニール・ドナランさん
中央は国際糖尿病支援基金の森田繰織会長
2010年10月の来日時に撮影
IFLは、十分な医療サービスを受けられない途上国の糖尿病患者を助け、現地の糖尿病医療の整備を支援する活動を世界中に広め、着実に実績を重ねている。
地震などの自然災害時の緊急支援も行っている。ハイチ地震、ハリケーン・カトリーナ、スマトラ沖地震のインド洋津波被害でも、地震発生の2日後にかけつけ、被災した患者にインスリンや医療資材を供給し高く評価された。
IFLの支部が世界各国に設けられ、日本でも国際糖尿病支援基金が支援・寄付活動を継続して行っている。
「糖尿病がもたらす脅威は、いまや全世界的な課題だ。世界の多くの国や地域に、高価なインスリン療法を受けられずに、生命が危険にさらされている患者がいる。糖尿病について、世界中で共有することが重要だ」とロン・ラーブさんは述べている。
「今回のプロジェクトでは、糖尿病患者や医療スタッフを含め、世界中で多くの人々に参加を呼びかけている。参加はインターネットでビデオを見るだけで可能だ。2分間のビデオを視聴すると、途上国の糖尿病患者を救うための基金に寄付が支払われる」。
今回のプロジェクトには、世界的な糖尿病関連製品のブランドである「アキュチェック®」を有するロシュ・ダイアベティズケアが協力し、ビデオの視聴回数に応じて寄付金を提供する。ロン・ラーブさんは「少なくとも10万回のアクセスと、7万5000ドル(約650万円)の寄付金を集めたいと考えている」と話す。
「11月14日の世界糖尿病デーをきっかけに、“糖尿病はもはや自分だけの問題ではない”ことを、世界中の多くの人々と共有していきたい」とロン・ラーブさんは力を込める。
ビッグ・ブルー・テスト
インスリン・フォー・ライフ(IFL)
国際糖尿病支援基金
糖尿病ハンズ財団(DHF)
世界糖尿病デー(世界糖尿病連合)
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