ニュース
2010年07月29日
1型糖尿病のパイロット、飛行機で全米50州を周る記録に挑戦
- キーワード
- 1型糖尿病 インスリンポンプ/CGM

47歳のケアンズさんはこのプロジェクトを「糖尿病の飛行50(Diabetes Flight 50)」と名付けている。「糖尿病であっても、飛行機の操縦を含め、できないことはないと実際に示すことが挑戦の目的だ」と話している。
画面をクリックすると再生します
しかし、1990年代後半に米国で法改正があり、1型糖尿病のパイロットによるフライトが可能になった。ケアンズさんは2000年にパイロットのライセンスを再取得し、また飛べるようになった。
その後5年間にわたり飛行訓練を重ね、安全のために隣席に別のパイロットを伴いながらも、数々の記録をつくった。2003年には1型糖尿病をもつパイロットとして世界で初めて世界一周飛行を達成した。3年間にスポンサーを募り、2つの米国大陸横断記録を含む5つの世界記録もつくった。
糖尿病の治療は、この10年間だけでも飛躍的に進歩している。今回の飛行では、1日11時間以上を飛行に費やし、現在の記録である13日22時間22分を半分に短縮しようと目標をたてている。
「米国では、インスリン治療を行っている糖尿病のパイロットは全て、離陸30分前、飛行中は毎時間ごと、さらに着陸30分前に血糖測定を行うことが要求される。5分ごとにグルコース濃度を連続測定する持続血糖測定(CGM)システムが開発されことは画期的だった」とケアンズさんは話す。
ケアンズさんの次の挑戦は「糖尿病の飛行90(Diabetes Flight 90)」。飛行機でアラスカにある最北の町バロウを越え、北緯90度の北極点を目指すという。
Douglas Cairns, a Type 1 diabetic pilot, attempting to break the existing record to land in all 50 states(米Dexcom社)
Pilot with type 1 diabetes to fly over 50 US States(国際若年性糖尿病研究財団:JDRF)
Diabetes Flight 50, flying and diabetes research
1型糖尿病の関連記事
- 腎不全の患者さんを透析から解放 「異種移植」の扉を開く画期的な手術が米国で成功
- ヨーヨーダイエットが1型糖尿病の人の腎臓病リスクを上昇 体重の増減を繰り返すのは良くない
- 世界初の週1回投与の持効型溶解インスリン製剤 注射回数を減らし糖尿病患者の負担を軽減
- 腎不全の患者さんを透析から解放 腎臓の新しい移植医療が成功 「異種移植」とは?
- 【1型糖尿病の最新情報】幹細胞由来の膵島細胞を移植する治療法の開発 危険な低血糖を防ぐ新しい方法も
- 若い人の糖尿病が世界的に増加 日本人は糖尿病になりやすい体質をもっている 若いときから糖尿病の予防戦略が必要
- 【1型糖尿病の最新情報】iPS細胞から作った膵島細胞を移植 日本でも治験を開始 海外には成功例も
- 1型糖尿病のランナーが東京マラソンを完走 CGMとインスリンポンプを組み合わせたシステムでより活動的に
- 運動に取り組み糖尿病を改善 血糖値が下がりすぎる低血糖にもご注意 1型糖尿病の人に最適な運動法は?
- 「スマートインスリン」の開発が前進 血糖値が高いときだけ作用する新タイプのインスリン製剤 1型糖尿病の負担を軽減