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2009年11月16日

世界糖尿病デーのライトアップ 青く輝く東京タワー

世界糖尿病デー

世界糖尿病デー
 「世界糖尿病デー(WDD)」にあたる11月14日、東京都港区の東京タワーやレインボーブリッジなど全国60ヵ所以上の建造物が青くライトアップされた。海外でも、米ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルなど800ヵ所以上の名所や建造物がライトアップされた。

 運動のシンボルマーク「ブルーサークル」は、国連や空を表す「青(ブルー)」と団結を表す「輪(サークル)」を意味している。最初の世界糖尿病デーは1991年に、国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO)によって開催された。糖尿病の脅威が世界規模で拡大しているのを受け、国連は2006年に糖尿病対策に積極的に取り組む決議を採択し、世界糖尿病デーは国連の定めた日になった。

 11月14日は1921年にインスリンを発見したカナダの医師であるフレデリック・バンティングの誕生日。

青くライトアップされた東京タワーとレインボーブリッジ(お台場で撮影)
世界糖尿病デー

世界糖尿病デー
 この日、世界の800ヵ所以上の名所や建造物が、ブルーに染められ、糖尿病の治療や予防に向けた対策を世界規模で広めようと呼びかけられた。アラブ首長国連邦のバージ・アル・アラブ、ドイツのブランデンブルク門、ブラジル・コルコバードのキリスト像、米国のエンパイア・ステート・ビル、カナダのナイアガラ滝、英国のロンドン大観覧車、オーストラリアのシドニー・オペラ・ハウス、南アフリカのテーブル・マウンテン、フランスのコンコルド広場、そして日本の東京タワーなど各地の名所がライトアップされ、幻想的な光が夜空に浮かびあがった。
糖尿病とともに生きる人は
世界に2億8500万人
 IDFの発表によると、いま世界で糖尿病とともに生きる人は2億8500万人。有効な対策を行わないと2030年には4億3800万人を超えると予想している。糖尿病は失明、腎不全、心臓発作、脳卒中、心筋梗塞、下肢切断など、命に関わる病気や障害の原因となる。糖尿病が原因で亡くなる人の数は年間380万人に上るにもかかわらず、この病気について軽視されている。

 糖尿病がもたらす負担は、患者や家族だけでなく、社会にとっても深刻だ。世界の糖尿病の医療費は少なく見積もっても3760億米ドル(約34兆円)に上り、世界の医療負担の11.6%を占める。2030年には4900億米ドル(約44兆円)を超えると推定されている。

 ライトアップに合わせて、世界糖尿病デーを記念する市民対象の講演も世界各地で開催された。日本でも、糖尿病専門医や療養指導士が糖尿病について分かりやすく解説する市民向け講座が各地で開催された。体験検査や食事相談も受け付けられ、「食事と運動、飲み薬、インスリン注射などで血糖値はコントロールできる」「糖尿病は早期の発見・治療が大切、定期的に検査を受けて」と訴えられた。こうした無料で自由に参加できる公開講座や糖尿病教室は、今後も全国各地で開催される。

東京・お台場で開催された糖尿病を啓発するキャンペーン
多くの人が足をとめ、糖尿病の予防・対策に聞き入っていた
世界糖尿病デー 世界糖尿病デー 世界糖尿病デー

 世界糖尿病デーの世界共通のテーマは、糖尿病と糖尿病合併症に取り組む糖尿病教育と予防プログラムを世界に広げること。今年は5ヵ年にわたるキャンペーンの最初の年にあたる。糖尿病とともに生きる人々が、糖尿病の危険因子と兆候に気づくことを促し、より良い糖尿病の医療を共有し、糖尿病と糖尿病合併症を予防することを目標としている。

国際糖尿病連合(IDF)が世界糖尿病デーに合わせて公開しているビデオ(YouTube)
(クリックすると再生します)

 「糖尿病に対する戦いに負けてはならない」とIDF理事長のJean Claude Mbanya・ヤウンデ大学(カメルーン)教授は言う。「糖尿病とともに生きる人々は、適切な知識をもつことで、糖尿病の治療と管理を行うことができる。糖尿病に打ち克つために、今日こそ行動を起こそう」。

関連情報
11月14日は世界糖尿病デー「糖尿病を理解しよう」
世界の糖尿病人口、20年後に4億3500万人超 国際糖尿病連合

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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