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2009年09月07日
緑茶の効能を科学的に検証「掛川スタディ」 【静岡】
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お茶の産地として知られる静岡県掛川市で6月より、緑茶の効能を科学的に研究する「掛川スタディ」が開始された。市と東北大学、市立総合病院、野菜茶業研究が協力し、約1000人の市民の参加を得て疫学調査を実施する。緑茶の効能を検証する大規模研究は全国でも珍しい。
緑茶にはビタミンC、葉酸、カフェインなどが含まれるほか、渋み成分であるカテキンや、うま味成分であるテアニンが豊富に含まれる。カテキンは多価ポリフェノールで、抗酸化作用がある。茶カテキンを主成分とした特定保健用食品もつくられ、「コレステロールを低下させる」「抗菌作用がある」と考えられている。また、テアニンにはリラックス効果があるとみられている。
研究は、農林水産省の委託事業(新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業)として行われ、今後3年間にわたり、市の全面的な協力により実施される。
主な研究内容は次の通り―
(1)1000人規模を対象にした緑茶成分による動脈硬化の予防効果を検証
カテキンやテアニンなどの緑茶成分と、肥満や2型糖尿病などとも関連の深い血中アディポネクチン、血糖、LDLコレステロールなどへの影響を解明する。市在住の30歳以上の男女1000人を対象とする。
(2)市民150人に掛川産緑茶の粉末の入ったカプセルを3ヵ月間接種してもらう介入試験
緑茶粉末を飲んでもらう群と、外観や味の似たプラセボ(偽薬)を飲んでもらう群に分け、アディポネクチン、LDL-コレステロールなどの変化を比べる。
(3)緑茶を入れる温度や時間、緑茶の粒度、飲み方、同時に摂取する成分などで、カテキンの体への吸収の違いなどを調べる影響調査
研究総括者である栗山進一・東北大学大学院医学系研究科准教授は、「緑茶の健康増進効果を確立し、緑茶のどのような品種がもっとも効果があるかを解明して食品開発にもつなげたい。お茶の消費拡大や掛川茶のブランド化にもなる。世界の人々の健康向上や茶業振興に貢献したい」と述べている。
緑茶をよく飲む人は2型糖尿病の発症が少ない 1万7千人の調査結果(糖尿病NET)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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