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2008年06月19日
二相性インスリンアナログ製剤は有用 インスリン療法で血糖コントロールが改善
- キーワード
- 医薬品/インスリン
ノボ ノルディスク ファーマは、国内のインスリン療法未経験の2型糖尿病患者2,132例を対象に実施した観察研究の結果を発表した。
研究では、糖尿病患者の多くでインスリン療法を開始する前の血糖コントロールは良好ではなく、有効な治療法であるインスリン療法を開始する時期が遅れていることや、糖尿病合併症のリスクにさらされている患者が多い現状が浮き彫りになった。
重大な低血糖を増やすことなく、血糖コントロールを改善
この観察研究「IMPROVE study JAPAN」は、二相性インスリンアナログ製剤「ノボラピッド®30ミックス」による治療の成果を確かめるために同社が実施した。
国内608施設の糖尿病専門医・非専門医を含む950名の医師、インスリン療法未経験の2型糖尿病患者2,132人が参加し実施した。観察研究は、患者を観察しデータを集めて分析をする研究。主治医の判断で行われる治療の実態を調査(観察)するので、日常診療のありのままの情報を収集できるというメリットがある。
その結果、「ノボラピッド®30ミックス」による治療で重大な低血糖は増えず、血糖コントロールが有意に改善し、経口薬治療と比べ患者のQOL(生活の質)が低下しないという結果を得た。
インスリン療法の開始が遅れる患者が多い
インスリン療法を開始する直前の患者の平均HbA1cは9.5%で、糖尿病学会で推奨されている血糖コントロール指標の6.5%よりも大幅に高い値だった。糖尿病と診断されてからインスリン療法を始めるまでの平均年数は10.2年だった。血糖コントロールが不良の患者が多いにもかかわらず、インスリン療法の開始が遅れる傾向があることが示された。
糖尿病の細小血管障害合併率は49.5%、大血管障害合併率は16.9%と高く、インスリン療法を始めるまでに患者の多くで糖尿病合併症があらわれていることも確かめられた。
ノボラピッド®30ミックスによるインスリン治療を開始し、26週間の治療成績をみたところ、HbA1cは9.5%から7.6%に改善し、空腹時血糖値・食後血糖値も有意に改善した。血糖値が正常範囲より低下しさまざまな障害をもたらす低血糖は、重大なものはインスリン導入前と比べ増加しなかった。
治療についての満足度を医師と患者に聞いたところ、担当医師は96.3%の症例で「継続して使用する」と回答。患者のQOLの総合スコアはインスリン導入前後で低下せず、治療効果、わずらわしさに関する満足度は上昇したという。
今回の研究について、河盛隆造・順天堂大学大学院教授は「今後さらに増える2型糖尿病患者に対処するには、一般内科医、糖尿病専門医がともに積極的に糖尿病治療に参画していく必要がある」と話している。
二相性インスリンアナログ製剤は、作用時間が短い超速効型インスリンと作用時間を長くした中間型インスリンが混ざっている製剤。ノボラピッド®30ミックスは、超速効型インスリンと中間型インスリンを3:7の割合で含有する。通常、成人では、初期は1日2回、朝食直前と夕食直前に皮下注射し、1日1回投与のときは朝食直前に注射する。
この研究は、5月に東京で開催された「第51回日本糖尿病学会年次学術集会」、6月に米サンフランシスコで開催された「第68回米国糖尿病協会年次学術集会」で発表されたこのページの記事はノボ ノルディスク ファーマが6月12日付で発表したプレスリリースを元にしています。
関連情報
インスリン療法を行っていない患者も合併症を発症 IMPROVE study
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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