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2008年05月30日
「1型糖尿病を理解して」-1型糖尿病患者の調査報告会から

「DAWN Youth」は、特に若い糖尿病患者の心理・社会的な側面について調べた大規模調査で、世界各国で比較調査が行われている。報告会では、主に1型糖尿病の患者が抱える問題のうち、学校と社会生活、サマーキャンプなどに焦点をあてた調査結果を発表し
日本人に多い2型糖尿病は、インスリン抵抗性(インスリンの作用を受けるからだの反応性が悪くなること)やインスリンの分泌低下をきたす複数の遺伝因子と過食、運動不足などの生活習慣や肥満、加齢などによるインスリン分泌の低下などの環境要因が組み合わさることにより起こる。
1型糖尿病は、2型糖尿病と異なり、インスリンをつくる膵臓のβ細胞が破壊されることにより発症する。生活習慣や肥満などに関係なく、成人よりも小児・若年期に発病することが多い。治療にはインスリン療法が必要となる。
糖尿病の医療は進歩しており、病態に合わせたさまざまなタイプのインスリン製剤が開発されるなど、1型糖尿病のケアは以前に比べると行いやすくなっている。スポーツ選手としてプロ野球で活躍している阪神タイガースの岩田稔投手や、世界各国を訪れ糖尿病や合併症の予防を啓発する活動をしている元ミスアメリカのニコール・ジョンソンさん、アカデミー主演女優賞を受賞した俳優のハル・ベリーさんなど著名人も少なくない。
学校で手助けが必要なときに、保護者の約8割は担任の先生、約9割は養護教諭(保健室の先生)が頼りになると回答した。こうした傾向は海外の調査結果に比べ日本のみにみられる。
経済的なサポートや社会の適正な理解や支援という点では、改善されてきたがまだ十分ではない現状が浮き彫りになった。特に18歳から25歳の患者を対象とした調査では、就職の際に糖尿病であることを告げた割合は52%になり、1993年調査の43%に比べ改善はみられたが、告げなかったという人も3割以上に上った。インスリン療法を生涯にわたり続けなくてはならないので、医療費の負担も深刻だ。
報告会では質疑応答のパネリストとして患者も参加した。パネリストより、医療費に対する社会保障を充実して欲しいという意見や、「(1型糖尿病についてよく理解していないのに)いろんなことができないと決めつけないで欲しい」という意見も出された。
内潟安子・日本糖尿病協会小児糖尿病対策委員・東京女子医大糖尿病センター教授は調査について、「インスリン注射をしているから重症という意味ではない。糖尿病ケアとして自己管理を子供の頃から続けていることをしっかりアピールしてほしい」と述べた。
武田倬・日本糖尿病協会小児糖尿病対策担当理事・鳥取県立中央病院院長は、「お子さんが糖尿病であることを周りに言いたくない場合には、それを理解してほしい。授業中に低血糖がおこったときの処置は本人にまかせてほしい。そういう環境をつくることも大切」と述べた。
(社)日本糖尿病協会
ノボ ノルディスク ファーマ(株)
糖尿病サイト
(財)鈴木万平糖尿病学国際交流財団
いま、1型糖尿病は
36 日本糖尿病協会小児糖尿病対策委員会のこと
28 IDF青少年憲章できあがる
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