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2008年05月09日
糖尿病でも食を楽しみたい 願いを叶える知食メニューを実演
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- 食事療法
5月22日から24日まで東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催される「第51回日本糖尿病学会学術集会」の並行企画として、糖尿病患者をはじめ、医療関係者、保健指導に携わる専門家にとっても興味深いセッションが開催される。これまでになかった大胆な取り組みだ。
調理の実演を見ながら、糖尿病の食事の極意を知る
糖尿病であっても食を楽しみたい、
おいしいものを食べたい
当日は知食の会を主宰している田中範正さんによる、レシピ開発にいたる話を聞くこともできる。田中さんは自身が2型糖尿病を発症し、合併症に苦しんだ経験をもっている。糖尿病の療養でもっとも苦しんだのは「食事」だという。糖尿病であっても楽しめる食の探求を続け、知り合いのフレンチのシェフに頼んで作ってもらった低エネルギーのメニューをきっかけに、「知食」というユニークな取り組みを始めた。
そして開発したのが、フランス料理のフルコースでありながら「360キロカロリー・塩分2.2グラム」という驚異的な低エネルギーの「知食メニュー」のレシピだ。フランス料理のフルコースは2,000kcalを軽く超すが、このレシピではかけそば1杯とほぼ同じくらいのエネルギー量で済むという。田中さんらは、一流のシェフの協力を得ながら、低エネルギーであってもしっかりとした満足感を得られるフランス料理や懐石料理などのメニューをいくつも開発してきた。
おいしいものを食べたい
ともに考える糖尿病の食生活
5月22日より東京で開催される「第51回日本糖尿病学会学術集会」では、「ともに考える糖尿病の食生活」という並行企画も用意されている。知食メニューによるフランス料理のフルコースを、帝国ホテル(千代田区)、ホテルパシフィック東京(港区)、リーガロイヤルホテル(大阪市)で、期間限定で特別料金で利用できるというものだ。
糖尿病を減らそうと、医療関係者を中心にさまざまな努力が続けられているが、糖尿病の発症はなかなか減らない。先日発表された「平成18年国民健康・栄養調査」では、糖尿病の該当者と予備群はついに1,800万人を超えたと概算された。いまや「成人のおよそ6人に1人が糖尿病か予備群」という事態になっ知食の会
第51回日本糖尿病学会学術集会
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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