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2008年04月09日

「閉塞性動脈硬化症」の自覚症状を感じても8割以上が放置

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糖尿病合併症
 足などの血管の動脈硬化が進行し、血管内径(血液が流れる部分)が狭くなり引き起こされる「閉塞性動脈硬化症(PAD)」が疑われる症状があっても、8割以上の人は医療機関を受診せずに放置していることが、アンケート調査でわかった。

 この調査はジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニーが先月発表したもの。同社は昨年12月、30〜60代の男女800人を対象に、閉塞性動脈硬化症(PAD)の認知度や症状がある場合の対処法を調べるため、インターネットによる「足に関する認識調査」を実施した。
閉塞性動脈硬化症(PAD)という病気
 PADは脂質異常症、高血圧、肥満、糖尿病などの動脈硬化の危険因子がある人や、喫煙習慣がある人で発症リスクが高くなる。主な症状に「間歇性跛行かんけつせいはこう」と呼ばれる歩行障害がある。間歇性跛行は、少し歩くと足の筋肉が痛んで歩けなくなり、しばらく休むと痛みがとれて歩けるようになるが、歩くとまた痛む状態をいう。

 調査によると、「歩行中、足に痺れや痛みを感じ、少し休むと痺れや痛みが消える」という症状を経験したことのはある人は26.8%(214人)だった。このうちPADを疑った人はわずか3.7%(8人)だった。36.9%は症状の原因として「関節・骨の異常」を、27.1%は「老化によるもの」を疑うと回答した。

 また、同じ症状を感じたときの対処法を聞いた質問では、「安静にして様子を見る」が39.3%(84人)でもっとも多く、「特に何もしない」22.9%(49人)、「市販薬などで対処する」7.5%(16人)と続いた。「病院に行く」と回答した人は16.4%(35人)と少なかった。

 PADは、早期発見・早期治療により、症状を改善することができる。そのために、予防とともに早期発見し治療することが望ましい

 足関節と上腕の血圧比から血管のつまり具合を調べる「ABI測定」という検査は、PADを見つけるのに有効で、検査値は診断の重要な指標となる。ジョンソン・エンド・ジョンソンの調査では、「閉塞性動脈硬化症は、足首と腕の血圧比で診断することができます。検査を受けたいと思いますか?」という質問もされた。76.8%の人は「機会があれば受けてみたい」と回答した。

 PADは日本では約600〜700万人が罹患しているとみられ、年々増加傾向にあるという。2002年の厚生労働省の患者調査では、治療を受けている患者数は7万8,000人とされた。同社は「多くの患者が潜在していると考えられる」としている。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)

このページの記事はジョンソン・エンド・ジョンソンが3月18日付で発表したプレスリリースを元にしています。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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