ニュース
2007年09月03日
全粒穀物(ホールグレイン)が糖尿病のリスクを減らす
- キーワード
- 食事療法

日常生活を営むための適正なエネルギー量を摂取し、適正な体重を維持することは、2型糖尿病を予防するうえで重要だ。しかし、実際にどのような食品をとると良いのかを疫学的に調べた研究は少な
全粒穀物の摂取量によって5グループに分け、12年間から18年間追跡し比べたところ、摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループに比べ、糖尿病の発症リスクがおよそ35%低くなっていた。
男女を対象にした6つの前向き臨床調査のメタ解析も行った。この解析からも、全粒穀物を豊富にとると、糖尿病の発症リスクを減らすことが示された。全粒穀物の摂取が1日2回増えると、糖尿病の発症は21%低下するという。
今回の米国の調査で研究者らは全粒穀物に食物繊維、ビタミン、ミネラル、リグナンなどのフィトケミカルが豊富に含まれていることを指摘した。また、日常で広く食べられている穀物は、多くが加工され精製されており、その工程で食物繊維、ビタミン、ミネラル、鉄分、マグネシウムなどの成分が多く失われることを強調してい
精製した小麦粉と全粒の小麦の栄養成分について比べると、精製粉は精製工程で約25%の外皮が取り除かれる。精製した小麦粉に含まれるのは、糖質、蛋白質がほとんどで、ビタミンやミネラルは少量しか残らない。取り除かれた外皮に、食物繊維や、栄養素が含まれており、精製されない全粒小麦粉には食物繊維がおよそ4倍、鉄分が3倍、マグネシウムが7倍、亜鉛が4倍、ビタミンB群が4倍含まれているという。
米国農務省がまとめた「米国人のための食事ガイドライン」では、全粒穀物(ホールグレイン)を毎日の食卓に取り入れるよう勧めている。1日に85g以上の全粒穀物製品をとり、穀物の半分以上は全粒穀物にするのが健康的な食事だという。100%全粒小麦の食パン1切りは28.4gくらい。それで全粒穀物を16gとれる。
PLoS Medicine(英文/PDFファイル)
米国農務省「2005年米国人のための食事ガイドライン」(英文)
食事療法の関連記事
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- ニンジンやカボチャが血糖値の上昇を抑制 糖尿病の人が食べたい野菜 どう食べると良い?
- 良い睡眠は糖尿病リスクを減らす 睡眠は「魔法の薬」 3つの方法で改善
- 糖質の多い甘い飲料が糖尿病や心臓病のリスクを上昇 高カロリーの飲み物を減らす2つの方法
- 糖尿病が認知症リスクを高める 野菜を食べている人は認知症リスクが低い 中年期の生活改善によりリスク低下
- 糖尿病の人は大腸がんリスクが高い 大腸がんは50歳未満の若い人でも増加 予防に役立つ3つの食品とは?
- 大豆を食べると糖尿病リスクが低下 心臓病や脳卒中も減少 大豆タンパクは腸内細菌にも良い
- 早い時間に食事をとると糖尿病リスクは減少 「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」も重要
- 糖尿病ネットワーク【1年間に多く読まれたニュース トップ10】
- 年末年始は糖尿病の管理が難しい? 連休を上手に乗り切るための「8つのヒント」