ニュース
2026年03月05日
だるい、力が入らない ~透析後の疲労(岩本クリニック 岩本俊輔副院長)~
- キーワード
- 時事通信社
失われた腎臓の機能を医療機器が代替する透析。全国で約34万7000人以上(2022年)が受けているが、毎回透析後に疲れを感じ、日常生活が制限されている患者が多い。岩本クリニック(茨城県土浦市)の岩本俊輔副院長に現状と対策を聞いた。

透析による疲労
◇週3回繰り返す
腎臓は、血液から尿を作って老廃物を排出するなど重要な働きをする臓器で、透析はそれに取って代わる治療だ。代表的なのは、腕の血管から血液を専用の医療機器に引き込み、老廃物や余分な水分を取り除いて血管に戻す方法。慢性腎臓病は週3回といったペースで続ける。
一方で、患者の約6割は、透析終了後に疲労感、倦怠(けんたい)感、力が入らないなどといった症状を感じ、生活に支障を来すこともある。
岩本副院長は「透析では毎回2~3リットルの水分を取り除くため、体内の水分バランスが崩れる。体内を循環する血液量も急に減って血圧が低下する。こうした変化が、透析後疲労となって表れる」と説明する。
さらに、透析患者はもともと心臓の機能が低下していたり、貧血、栄養状態が不良だったりする。それによる活動量や運動量の減少で、体力も低下している。長く透析を続ける中で希望を見失う、配偶者を亡くすなどの心理・社会的変化、睡眠の質の低下なども関与しているという。
◇小さなことでも相談を
対策の一つは、前回の透析以降に体にたまる水分量を抑え、透析で取り除く水分を減らすこと。そのためには、塩分や水分摂取の制限、食事の管理など、患者自身の努力が欠かせない。
岩本クリニックでは、看護師が生活習慣や食習慣を詳しく聞き、栄養や腎臓リハビリテーションなどのチームとも連携して、食事管理や体力維持で実践可能なことを勧めている。
多くの患者は疲労に慣れ、「いつものこと」「大したことはない」と思っており、「倦怠感、食欲不振、やる気の低下、頭痛だけではなく、かゆみなど小さなことでも医療者に相談してほしい」と岩本副院長。
「透析は毎回4~5時間かかり、患者の負担は大きい」ため、同居する家族の理解が必要という。例えば、食事や水分管理をサポートするとともに、外出に誘うなどして社会とのつながりを維持することが大事だとしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
[時事通信社 2026年3月5日]
時事通信社の関連記事

医療・健康情報グループ検索