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2026年03月30日
治療選択、患者の価値観を共有 ~「シェアード・ディシジョン・メーキング」(京都大大学院 中山健夫教授)~
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医学の進歩で、がんなど重い病気の治療法が増えている一方、どれが最善なのか決めにくい場面もある。その際に重視されているのが、患者と医療従事者の「シェアード・ディシジョン・メーキング(SDM、共有意思決定)」だ。京都大大学院医学研究科(京都市)健康情報学分野の中山健夫教授に話を聞いた。

患者と医療者の「共有意思決定」
◇効果か副作用か
従来は、医師が最善と判断した治療を患者に説明し、患者が納得、同意するインフォームドコンセントが基本だった。それが近年、医師らが持つ専門的な情報と、患者の思いや価値観を持ち寄って相談し、双方が合意して治療方針を決めるSDMが重要視されるようになった。
中山教授はSDMが必要な背景として、効果的な薬剤が多く開発されたことを挙げる。「標準的な治療法も複数になり、それぞれの一長一短を考慮して選ぶ場面が増えてきました」
例えば、従来の薬よりも進行がん患者が長生きする可能性があるが、副作用が強い新薬があるとする。患者が副作用を抱えながら生きるか、期待できる余命は短いとしても、穏やかに暮らすか―といったケースだ。
「医師は有効性のデータに基づき新薬を推奨するでしょうが、患者さんの価値観はさまざまです。生存期間だけではなく、生活の質を重視する人もいて、答えは一つではないはずです」
◇厳しい話にも耳を
「SDMの最大の利点は、患者が大切にしたいことや普段楽しみにしていることが、診療の分岐点での意思決定に反映されやすくなることです」
ただし、患者は医師と相談しようにも、難しい情報の羅列に戸惑うかもしれない。決して明るくない未来など、「知りたくない情報」を知ってしまうこともある。
「悩んだ結果、医師に委ねる、ということでもよいでしょう」と中山教授。「理想的な選択肢がない場合もあり得ますが、ライフスタイルや価値観と照らし合わせたベストな選択は可能です」と説明する。ただし、「最新医療を装った怪しげな民間医療」に引かれることがないように注意が必要だという。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
[時事通信社 2026年3月30日]
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