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2026年03月23日
睡眠時の無呼吸がリスクに ~緑内障(島根大医学部付属病院 谷戸正樹教授)~
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失明など視覚障害の原因の1位である緑内障は、40歳以上の5%、70歳以上では10%以上が罹患(りかん)している。発症、進行には加齢などさまざまな要因が関わり、近年は、睡眠時の無呼吸の影響も注目されている。島根大医学部付属病院(島根県出雲市)眼科の谷戸正樹教授に、原因や対策を尋ねた。

睡眠時無呼吸症候群が緑内障に関連?
◇加齢が大きなリスク
目が捉えた情報は、奥の網膜という部位から始まる視神経を通じて脳に伝わる。それを脳が処理して、「見えた」と認識する。緑内障では視神経に異常が起きるため、視野が徐々に欠けてくる。
発症のリスク要因について、谷戸教授は「まず挙げられるのは、加齢による視神経の萎縮。近視も進行すると、眼球の長さ(奥行き)が伸び、視神経を圧迫します。また、眼圧(眼球内の液体の圧力)が高いことも、視神経を圧迫して緑内障につながります」と説明する。
リスクは他にも多くあり、その一つが、断続的に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群(SAS)。中でも、睡眠中に気道が狭まり、空気が通りにくい「閉塞性SAS」と呼ばれるタイプだ。肥満、首が太く短いこと、顎が小さいことなどが原因で生じる。
「緑内障患者の10~30%程度がSASを合併しています。また、SASの人の緑内障有病率は正常な人の数倍以上とする研究もあります。仮説ですが、無呼吸時の低酸素状態が視神経の血流を低下させるとみられます」
◇いびき、日中の眠気に注意
緑内障の治療の基本は、点眼薬で眼圧を下げること。確実に続ければ、病気の進行を抑えて視野や視力を保つことができる。SASの発症に関わる肥満は眼圧を上げる因子でもあるので、体重管理も重要と考えられる。
緑内障の患者に対しては、「いびき、睡眠中に呼吸が止まる、日中の過度の眠気、だるさなどがあれば、かかりつけの眼科に相談してほしい。睡眠障害の専門クリニックに相談してもよい」と谷戸教授。
一方、SASの人には、「40歳を過ぎたら定期的な眼科受診や、人間ドックで眼底検査を選ぶなどして、緑内障の早期発見を心掛けてほしい」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
[時事通信社 2026年3月23日]
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