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2026年03月09日

自覚症状ないまま進行 ~下肢閉塞性動脈疾患(東海大医学部付属八王子病院 長谷部光泉教授ら)~

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時事通信社

 日本の死亡原因の1位はがんだが、それに匹敵するのが動脈硬化性疾患だ。自覚症状がないまま進行し、重症化してしまうことも。特に、膝下の動脈は細く治療も難しい。東海大医学部付属八王子病院(東京都八王子市)血管内治療センターの長谷部光泉教授と小川普久准教授に聞いた。

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 ◇重症例は下肢切断も

 加齢、喫煙、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病、腎疾患などの要因で血管内にできたこぶ(プラーク)によって内腔が狭くなる動脈硬化。これが進行し、プラークが破れてできる血栓により血流が滞ると、さまざまな障害が起こる。

 動脈硬化は全身で起こり、脳梗塞、心臓では狭心症や心筋梗塞につながる。脚で起きるのが下肢閉塞性動脈疾患だ。

 初期は無症状で進行し、やがて歩行時にふくらはぎなどが痛み、少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(はこう)」が表れる。さらに進行すると、安静時にも痛みやしびれが出て、潰瘍ができて傷が治りにくくなる。重症化して壊疽(えそ)に至ると切断が必要になり、感染リスクが高まり命に関わることもある。透析患者が下肢切断に至った場合、5年後の生存率が20%を下回るとの報告がある。

 ◇新たな治療法開発

 主な治療法は運動療法、薬物療法の他、かつてはバイパス手術が主流だったが、近年はバルーン(風船)やステント(金属チューブ)で狭くなった血管を広げる血管内治療(カテーテル治療)が一般的だ。ただし、膝下の動脈は細く、血流も遅いため治療が難しい。ステントに対する異物反応で再び血管が狭くなることもある。

 長谷部教授らは、こうした課題を解消し、下肢の温存が期待できる薬剤溶出型ステントを開発。年内に同病院を含む4施設での医師主導治験が決定している。

 「発症や重症化の予防には、狭心症や心筋梗塞と同様に、禁煙をはじめ生活習慣の改善が重要です。入浴時などに足の傷やむくみ、皮膚の色をチェックし、清潔に保つフットケアを心掛けてください。また早期の受診が必要です」と長谷部教授と小川准教授はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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