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2024年03月13日

日本IDDMネットワークが「1型糖尿病医療費助成事業」を開始 25歳までの成人の1型糖尿病患者の医療費を助成

 認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」(理事長:井上龍夫 岩永幸三、本部:佐賀市)は、1型糖尿病の「根絶(=治療+根治+予防)」を一刻も早く実現し、1型糖尿病による生涯の負担から解放することを目標に活動している認定NPO法人。

 同NPO法人は、佐賀県内に居住する25歳までの小児慢性特定疾病医療費助成制度対象外の成人の1型糖尿病患者に医療費を助成する「成人1型糖尿病医療費助成事業」を新たに開始した。

 この事業は、成人1型糖尿病患者の医療の質を確保し、重症化のリスクを軽減するとともに、将来へ向けた生活基盤を整える期間を確保し、生活の質の向上をはかることを目的としている。

若い1型糖尿病患者さんを精神的・経済的に支援したい

 1型糖尿病は、生きていくのに欠かせないインスリンを産生するβ細胞が壊されてしまい、インスリンがほとんど分泌されなくなり発症する疾患。原因は不明で、小児期に突然発症することが多い。現在の医療では、生涯にわたり毎日4~5回の注射、またはポンプによるインスリン補充が必要となる。

 糖尿病の大半を占め生活習慣病とも言われる2型糖尿病とは異なり、1型糖尿病の日本での年間発症率は10万人当たり2人程度と少ない。1型糖尿病に対する社会的な認知や理解は十分に得られておらず、患者と家族の精神的・経済的負担は大きい。

 生涯にわたりインスリン補充が必要になる1型糖尿病では、患者の医療費の負担は月数万円になる。

 現在、1型糖尿病の小児・若年患者を対象に、健全育成の観点から、患児家庭の医療費の負担軽減をはかるため、その医療費の自己負担分の一部が助成されている(小児慢性特定疾病医療費助成制度)。

 しかし、この医療費助成制度(小慢)の対象となるのは、18歳未満の小児・若年患者(引き続き治療が必要であると認められる場合は20歳未満)。

 20歳以上の患者は、医療費助成を受けられなくなるが、月数万円の医療費の負担は生涯続く。そのため患者のなかには、治療の質を落とすことで医療費を減らす努力をし、望んでいる治療を受けられない現状があるという。

25歳までの成人の1型糖尿病患者の医療費を助成

 そこで認定NPO法人「日本IDDMネットワーク」(理事長:井上龍夫 岩永幸三、本部:佐賀市)は、2024年4月から、佐賀県内に居住する25歳までの小児慢性特定疾病医療費助成制度対象外の成人の1型糖尿病患者に医療費を助成する「成人1型糖尿病医療費助成事業」を開始した。

 この事業の主な対象となるのは、25歳までの1型糖尿病患者。この事業により、患者の将来へ向けた生活基盤を整える期間を確保し、生活の質の向上をはかれるようになると期待される。

 医療費の負担が軽くなれば、インスリンを自動注入するインスリンポンプや、血糖値の変化を連続してモニターするCGM(持続血糖モニター)なども導入できるようなり、糖尿病の管理がより改善する可能性もある。

助成対象者 次のすべてを満たす患者を助成対象とします。
(1) 「小慢」の対象年齢を超え、25歳までの間の1型糖尿病患者(小慢の助成対象となっていない18歳以上で発症した患者を含みます)
(2) 佐賀県内に住所を有する1型糖尿病患者

 「1型糖尿病は、治らない病気でありながら、国の難病に指定されていない。経済的な事情により苦しんでいる患者は多い」と、同NPO法人は述べている。

 「日本IDDMネットワークの本拠地である佐賀県での取り組みを契機に、全国で実現することを願っています」としている。

企業版ふるさと納税による寄付が財源

 この「成人1型糖尿病医療費助成事業」の財源は、佐賀県庁の企業版ふるさと納税を通じた寄付。佐賀県内の課題解決をはかることを目的とした事業であり、この医療費助成は佐賀県民のみが対象となる。

 日本IDDMネットワークの事業「糖尿病患者・家族を"救う"-佐賀から日本、世界基準へ-」は、佐賀県庁の企業版ふるさと納税活用型CSO(市民社会組織)地域課題解決支援事業に、2023年に採択された。

 この事業に対する寄付(企業版ふるさと納税)は、最大で寄付額の約9割が軽減され、実質的な企業の負担は約1割、寄附額の下限は10万円となっている。

 採択された事業は、▼ 佐賀県内の18歳から25歳までの1型糖尿病患者への医療費助成、▼ 糖尿病患者対象の歩くイベントの開催(インスリン治療の早期導入、運動療法や食事療法の継続を啓発)、▼ 佐賀大学医学部の永淵正法教授などが行う、「世界初の糖尿病ワクチン開発」の研究費支援。

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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