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2023年10月18日
植物性食品が腸内細菌を健康に 食欲を抑えられ糖尿病も改善 腸内の善玉菌を増やすのはこんな食品

植物性食品に含まれる食物繊維は、腸内細菌を健康にして、脳にも影響し、高カロリーの食品に対する食欲を抑えられるという研究が発表された。
腸内の善玉細菌を増やす「プレバイオティクス」についての研究は増えている。最近の研究では、腸内環境は糖尿病とも関連があることが分かってきた。
腸内の善玉細菌を増やすのに役立つ食品もみつかっている。
植物性食品の食物繊維が腸内環境を改善 脳にも影響
植物性食品に含まれる食物繊維は、腸内細菌の組成を健康にして、脳機能にも影響をもたらすことが、ドイツのライプツィヒ大学などの研究で示された。とくに太りすぎや肥満のある成人で効果を期待できるという。 野菜や全粒穀物などに含まれる食物繊維などは、腸内の善玉菌のエサとなる。こうした腸内の善玉細菌の定着を促す食物は「プレバイオティクス」と呼ばれている。 研究グループは、プレバイオティクスが腸内細菌叢(腸内フローラ)を改善し、腸と脳のあいだのつながりを良くすることで、脳機能にも影響を及ぼす可能性があると考え、介入研究を行った。 「食物繊維などのプレバイオティクスを積極的に摂取すると、腸内フローラに変化が起こり、高カロリーの食品に対する脳の反応に変化があらわれました」と、同大学脳科学研究所のヴェロニカ ウィッテ氏は言う。 「腸内環境を改善することが、食べすぎの抑制につながる可能性があります」としている。腸内環境の改善は肥満やメタボの予防・改善につながる

善玉の腸内細菌を増やすためにどんな食品を食べると良い?
腸内の善玉細菌を増やす「プレバイオティクス」についての研究は増えている。腸内環境は肥満やメタボとも関連があることも分かってきた。 腸内の善玉細菌を増やす「プレバイオティクス」についての研究は増えている。最近の研究では、腸内環境は糖尿病とも関連があることが分かってきた。 あるタイプの腸内細菌が、2型糖尿病や肥満のリスクを高めていて、糖尿病から保護する働きをしている腸内細菌もあることを示した研究が発表されている。 納豆・漬物・キムチ、チーズ・みそ・しょうゆなどの発酵食品には、乳酸菌が豊富に含まれている。 そのほかにも最近の研究で、腸内の善玉細菌を増やすのに役立つ食品がみつかっている。ブロッコリーが腸内の善玉菌の活性を高める がん予防の効果も
米イリノイ大学による別の研究では、ブロッコリーや芽キャベツなどに含まれる成分である「スルフォラファン」が、腸内細菌の活性を高め、がんの予防力を高める効果も期待できることが示された。
「ブロッコリーに含まれるスルフォラファンは、大腸にいる善玉菌の活性を高め、抗炎症作用をもたらすことが示唆されました」と、同大学で人間栄養学を研究しているエリザベス ジェフリー教授は言う。
「肥満や老化にともない増える、2型糖尿病や肥満などの慢性疾患の予防・改善も期待できます」としている。
ブロッコリーにはスルフォラファンに加えて、天然の食物繊維やビタミンやミネラルなども含まれる。
ジェフリー教授によると、ブロッコリーを週に3~5回食べると効果を期待できるという。腸内細菌を健康にするため、ヨーグルトなどの発酵食品と組み合わせて食べるのも勧められる。
緑茶が腸の健康を改善し血糖値を下げる
米オハイオ州立大学による別の研究では、緑茶を飲む習慣により、腸の健康を改善でき、糖尿病の人では血糖値を下げることを期待できることが示されている。
研究グループは、メタボや肥満のある人を含む40人の成人を対象に、緑茶抽出物であるカテキンを28日間摂取してもらうランダム化二重盲検クロスオーバー試験を行った。
その結果、カテキンを摂取した参加者はすべて、空腹時血糖値が下がり、腸内環境が改善し、腸の炎症が軽減された。1日に緑茶を5杯飲むと、同じくらいの量のカテキンを摂取できるという。
「緑茶による腸内の抗炎症効果により、米国人の3分の1が罹患している肥満やメタボによるリスクを軽減することも期待されます」と、同大学人間科学部のリチャード ブルーノ氏は言う。
「肥満やメタボのある人にまず勧められるのは、食事や運動といった生活スタイルを改善することです。でも、残念なことに、生活スタイルを修正するのが難しいという人は多くいます」。
「肥満や2型糖尿病を予防・改善するために、簡単に取り組めて続けられる効果的な方法が必要とされています」としている。
ビールの原料となるホップが腸内の善玉菌を増やす
肥満やメタボ、糖尿病などに関連する腸内細菌を改善するために、意外な食品が役立つ可能性も示された。
米オレゴン州立大学が発表した研究では、ビールの原料となるホップ由来の化合物が、腸内の善玉菌を増やすことが示された。
研究グループは、ホップに含まれるフラボノイドであるキサントフモール(XN)とテトラヒドロキサントフモール(TXN)に着目。
高脂肪食を与えて肥満にしたマウスを用いた実験で、XNとTXNが腸内細菌叢や胆汁酸組成を変え、腸内と脂肪組織の炎症を促す腸内菌の発現を減らし、肥満やメタボ、脂肪肝のリスクを軽減することを確かめた。
「とくにTXNは、脂肪組織のマクロファージ細胞の炎症を促す腸内菌を減らし、グルコース代謝を改善していることが分かりました」と、同大学薬学部のアンドレイ モルガン氏は言う。
「ホップはビールに含まれていて、特有の苦みと香りをもたらしています。ただし、ホップが体に良いと言っても、ビールの飲みすぎはお勧めできません。お酒を飲まない人は、無理して飲まないことをお勧めします」としている。
How plant-derived nutrients can affect the gut and brain (ライプツィヒ大学 2023年10月10日)Prebiotic diet changes neural correlates of food decision-making in overweight adults: a randomised controlled within-subject cross-over trial (Gut 2023年10月4日)
Discovery may help scientists boost broccoli's cancer-fighting power (イリノイ大学農業環境科学部 2010年10月25日)
Glucoraphaninhydrolysis by microbiota in the rat cecum results in sulforaphane absorption (Food & Function 2010年10月22日)
Green tea extract promotes gut health, lowers blood sugar (オハイオ州立大学 2022年7月26日)
Catechin-Rich Green Tea Extract Reduced Intestinal Inflammation and Fasting Glucose in Metabolic Syndrome and Healthy Adults: A Randomized, Controlled, Crossover Trial (Current Developments in Nutrition 2022年6月)
Compound derived from hops reduces abundance of gut microbe associated with metabolic syndrome (オレゴン州立大学 2023年9月21日)
Reducing gut microbiome-driven adipose tissue inflammation alleviates metabolic syndrome (Microbiome 2023年9月21日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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