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2023年03月20日
高カロリーの甘い飲み物が糖尿病や肥満のリスクを上昇 運動不足が重なると最悪
コーラやジュース、炭酸飲料、エナジードリンク、加糖コーヒーなど、高カロリーの甘い清涼飲料の飲み過ぎが、2型糖尿病や肥満のリスクを高めることが明らかになった。
糖質の摂り過ぎに、運動不足が重なった生活スタイルは最悪という、別の研究も発表されている。
高カロリー飲料などから糖質の摂り過ぎていて、座ったままの時間の長い、不活発な生活が短期間続いただけでも、血糖値を下げるインスリンの働きは悪くなることが分かった。
高カロリー飲料を飲み続けると体重は大幅増加
コーラやジュース、炭酸飲料、エナジードリンク、加糖コーヒーなど、高カロリーの甘い清涼飲料の飲み過ぎが、2型糖尿病や肥満のリスクを高めることが、トロント大学とハーバード大学が実施した大規模な研究で明らかになった。 研究グループは、高カロリー飲料と体重増加の関連などを調べた85件の研究を分析した。対象者は計50万人以上に及ぶ。 その結果、高カロリー飲料を1日1回、340g(12オンス)飲んでいるだけで、1年間で体重が0.83kg増えることが示された。10年以上飲み続けると、体重は2.3kg、余計に増えることになるという。 高カロリー飲料を飲まないでいると、体重はむしろ0.49kg減るという。高カロリー飲料を飲むことで、体重は大幅に増加することが示された。コーラ1本に角砂糖10個以上が含まれる
「高カロリー飲料を飲むのを止めることは、加齢にともなう体重増加を防ぐ効果的な方法になる可能性があります」と、トロント大学栄養学科のヴァサンティ マリク氏は言う。 「大人だけでなく子供たちにも、高カロリー飲料を飲むのを制限することで、健康的な生活スタイルを実現でき、体重増加を抑えられる可能性があります」としている。 コーラ1本(350mL)のカロリーは160kcalで、糖質が40g含まれる。これは角砂糖にすると、10個以上に相当するという。 米国では、高カロリーの飲料や食品が、過体重や肥満の増加の原因になっている。さらに、世界の20億人が肥満か過体重で、有効な対策をしないと、2035年までに世界の4人に1人が肥満になると予測されている。糖質には習慣性もある
清涼飲料や菓子類などの加工食品に含まれる単糖である「フルクトース(果糖)」は、異性化糖の原料になり、食品のカロリーを高めるだけでなく、2型糖尿病や肥満、心血管疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)などのリスクも高める。 糖質を摂り過ぎる生活スタイルを続けていると、血糖値を下げるホルモンの働きが悪くなるインスリン抵抗性が引き起こされ、糖尿病のリスクが上昇するおそれがある。 「フルクトースは、肝臓にも流れ込み、脂肪の生成を引き起こし、脂肪肝や代謝性疾患のリスクを高めます。尿酸も増やし、インスリン抵抗性と心血管疾患などのリスクも高めます」と、マリク氏は指摘する。 「注意しなければならないのは、こうした糖質には習慣性もあることです。高カロリー飲料が、ドーパミンの脳内報酬作用を活性化し、中毒性を助長し、さらには腸内細菌叢にも影響するという報告があります」としている。糖質の摂り過ぎに運動不足が重なると最悪
糖質の摂り過ぎに、運動不足が重なった生活スタイルは最悪という、別の研究も発表されている。
糖質の摂り過ぎていて、座ったままの時間の長い、不活発な生活が短期間続いただけでも、血糖値を下げるインスリンの働きは悪くなることが、米ミズーリ大学医学部の研究で明らかになった。
とくに男性では、座ったまま過ごす時間の長い生活スタイルと、糖質の摂り過ぎが重なるのは危険だという。
過食や運動不足が原因で起こる「インスリン抵抗性」は、筋肉・脂肪細胞・肝臓などで、インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの血糖値を下げる働きが十分に発揮されなくなった状態。2型糖尿病や肥満のある人で多くみられる。
研究グループは、36人の健康な男女を対象に10日間わたり、1日の歩数を1万歩から5,000歩に減らし、運動不足にして、さらに糖質が多く含まれる高カロリーの清涼飲料を1日6缶飲む生活をしてもらった。
その結果、その結果、座ったままの生活スタイルと糖質の過剰摂取により、とくに男性で、インスリンの働きが悪くなり、脚の血流も減少した。心血管疾患の重要なバイオマーカーであるアドロピンと呼ばれるタンパク質の値も低下した。
「わずか10日という短い期間でも、糖質とカロリーの摂り過ぎと運動不足が重なるのは、とくに男性にとって、大変に不健康であることが示されました」と、同大学心血管研究センターのカミラ マンリケ-アセベド氏は述べている。
Sugar-sweetened beverage consumption and weight gain in children and adults: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies and randomized controlled trials (American Journal of Clinical Nutrition 2023年1月)
Sedentary lifestyle and sugary diet more detrimental to men (ミズーリ大学 2022年10月27日)
Young Women Are Protected Against Vascular Insulin Resistance Induced by Adoption of an Obesogenic Lifestyle (Endocrinology 2022年8月17日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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