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2020年06月08日

【新型コロナウイルス】糖尿病や高血圧などの患者にも大きな影響が WHOが報告書

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、糖尿病、循環器疾患などの患者の治療にも影響を及ぼしている。
 世界ではそうした患者の多くが、必要な医療サービスにアクセスできなくなるおれそがあると懸念されている。
 世界保健機関(WHO)は各国に早急な施策を講じるよう求めている。
糖尿病、がん、心血管疾患の患者はコロナの影響を受けやすい
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、世界の糖尿病、循環器疾患などの患者の治療に対し、影響をもたらしているという報告書を世界保健機関(WHO)が発表した。5月に世界155ヵ国の政府から得た回答を分析した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は地球規模で拡大しており、糖尿病、がん、心血管疾患などの治療を必要とする非感染性疾患(NCD)の患者は、とりわけCOVID-19の影響を受けやすいとしている。

 「世界では、これらの病気の患者さんの多くが、必要とする医療サービスや医薬品の提供を受けられていません。COVID-19と戦いながら、各国が医療サービスを継続的に提供できるようにするため、革新的な解決策が求められています」と、WHOのテドロス アダノム事務局長は言う。
治療に影響があった国 高血圧は53%、糖尿病は49%
 調査によると、多くの国で医療サービスが部分的または完全に中断された。77%の国が、COVID-19の感染拡大により、NCDの治療が影響を受けたと報告。

 主な影響は、(1)COVID-19患者の受け入れを優先し、他の患者の受け入れを制限せざるをえなかった、(2)健康診断が中断された、(3)ロックダウン(都市封鎖)で交通手段が停止された――などだった。

 高血圧の治療に影響があったと回答した国は53%、糖尿病は49%、がんは42%、循環器疾患は31%に上った。こうした病気は重症化すると、地域社会で自立した生活を送れるようにするため、リハビリテーションが必要になることがある。このリハビリテーションは、63%の国で中断された。
亡くなったCOVID-19患者の31%が2型糖尿病
 50%以上の国は、COVID-19の治療を優先するために、乳がんや子宮頸がんなどの検査を延期した。これらの検査は公的医療保険によって実施されている国が多い。

 COVID-19に対応するため医療スタッフが集められ、他の疾患で医療スタッフが不足した国もある。20%の国は医薬品、診断薬、その他の医療技術の不足のために、医療サービスが中断されたと報告した。

 また、イタリアは病院で亡くなったCOVID-19患者のうち、96%が持病をもっていたと報告された。67%が高血圧、31%が2型糖尿病を併発していた。COVID-19に感染すると、NCDをもっている人はとくに危険であることがあらためて示された。
58%の国がオンライン診療などを実施
 また、世界の3分の2の国が、NCDの治療を念頭において、COVID-19への対策を策定していると報告。先進国の72%は、心血管疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患などの治療と、COVID-19への対策との両立を始めている。

 さらに、対面式の診療に代わるオンライン診療などの、医師が電話やインターネットなどの通信手段を使って、遠隔で診察するなどの対策をとっている国は58%に上り、COVID-19が世界の医療を変えつつあることが浮き彫りになった。

 70%の国は遠隔診療を奨励している。WHOは薬の処方を遠隔でできるようにするなどの対処方法を盛り込んだ指針も公表した。
各国は医療保健サービスを強化する必要が
 「高血圧や糖尿病などのNCDをもつ人は、COVID-19に感染すると重症化しやすいことが分かっています。さらに、COVID-19の感染が拡大すると、そうした人々の多くが、自分の病気を管理するために必要な医療サービスにアクセスできなくなるおれそがあります」と、WHOのNCD局長のベンテ ミケルセン氏は言う

 「各国のCOVID-19への対策に、NCDとともに生きる人々に対するケアを盛り込むことが緊急に求められています。医療のあらゆる状況で、NCDを予防、診断、治療できるようにするため、医療保健サービスを強化する必要があります。各国はより良い準備態勢を構築することに、すぐに取り組むべきです」と強調している。

Coronavirus disease (COVID-19) pandemic(世界保健機関)
[ Terahata ]

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