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2019年12月13日
ワカメを糖尿病の食事療法に活用 ⾷後の⾎糖値と脂質の上昇を抑える
- キーワード
- ライフスタイル 糖尿病の検査(HbA1c 他) 食事療法
食事でワカメをいっしょに食べると、⾷後の⾎糖値と脂質の上昇を抑えられるという研究が発表された。日本食が健康的であることが世界的に注目されている。ワカメなどの海藻は日本食に欠かせない食材だ。
ワカメは日本で馴染み深い食品
ワカメ、コンブ、ヒジキ、メカブなどの海藻は、食物繊維、カリウムなどのミネラル、タンパク質などが含まれ、低カロリーだ。海藻の摂取は⾷事バランスガイドなどでも推奨されている。
なかでもワカメは、日本食に欠かせない食材だ。日本人は古くからワカメを食べてきた。海藻は日本では馴染み深い食品だが、欧米ではあまり食べられていない。食文化が多様化しており、海藻の健康効果は世界から注目されている。
そのワカメを食べることで、⾷後の⾎糖値や脂質の上昇が抑えられるという研究が発表された。研究は、理研ビタミンと、藤⼥⼦⼤学⼈間⽣活学部⾷物栄養学科の三⽥村理恵⼦教授が共同で行ったもの。
2件の研究のどちらも、乾燥カットワカメを利用したものだ。乾燥カットワカメであれば、保存が効き、水戻しをすればいつでも食べられるので、利便性が高い。ふだんの食事にワカメを使った料理を一品加えることは、すぐに取り組める食事法になる。
関連情報
ワカメが⾷後の⾎糖値と脂質の上昇を抑える
1つめの試験では、健康な成⼈男⼥26人を対象に、乾燥カットワカメ4gを⽔戻ししたものを摂取してもらった後で、⽶飯200gを⾷べてもらった。食後30分後、60分後、90分後、120分後の⾎糖値や⾎中のインスリン値を測定し、ワカメを摂取していない時の値と⽐較した。
その結果、ワカメを摂取した時には、摂取していない時と⽐較し、⾷後の⾎糖値やインスリンの上昇が抑制された。
レムナントが血液をドロドロにする
乾燥カットワカメは料理にすぐに使える
ワカメの摂取により、糖や脂質の代謝が調整できる可能性がある。⾷後の急激な⾎糖値や脂質の上昇は、動脈硬化を引き起こすことにつながるので、上⼿にコントロールすることが⼤切だ。
野菜、海藻、きのこなど食物繊維の多い食品を摂る食事を摂ると、血中のレムナントが低下することが知られている。今回の研究では、ワカメを摂取することで、レムナントも低下するという結果になった。
理研ビタミンはワカメの健康効果を明らかにする研究を重ねており、これまでに⾎圧やコレステロール、整腸作⽤に対する影響などを発表してきた。
ワカメなど海藻をよく食べる人で、虚血性心疾患の発症リスクが低いことは、国立がん研究センターなどが実施している「JPHC研究」でも明らかになっている。この研究は、日本人8万6,000人を20年間追跡して調査し、海藻を毎日食べている人では、虚血性心疾患の発症リスクが最大で、男性24%、女性44%低いという結果になった。
同社サイトでは、乾燥カットワカメを使った料理レシピが公開されている。
乾燥カットワカメであれば、保存が効き、水戻しをすればいつでも食べられるので、利便性が高い。
【食材(2人分)】
乾燥カットワカメ:5g
サラダケール(またはお好みの葉物野菜):30g
トマト:小1個(100g)
モッツァレラチーズ:100g
お好みのドレッシング:大さじ2 【作り方】 調理時間10分以内
1. 乾燥ワカメは表示通りに水戻しをし、しっかりと水気を切る。
2. トマト・モッツァレラチーズは5mm幅程度に切り、サラダケールは食べやすい大きさにちぎる。
3. 器に1・2を盛り、お好みのドレッシングを回しかける。
理研ビタミン乾燥カットワカメであれば、保存が効き、水戻しをすればいつでも食べられるので、利便性が高い。
わかめのカプレーゼ風サラダ
乾燥カットワカメ:5g
サラダケール(またはお好みの葉物野菜):30g
トマト:小1個(100g)
モッツァレラチーズ:100g
お好みのドレッシング:大さじ2 【作り方】 調理時間10分以内
1. 乾燥ワカメは表示通りに水戻しをし、しっかりと水気を切る。
2. トマト・モッツァレラチーズは5mm幅程度に切り、サラダケールは食べやすい大きさにちぎる。
3. 器に1・2を盛り、お好みのドレッシングを回しかける。
Effects of Undaria pinnatifida (Wakame) on postprandial glycemia and insulin levels in humans: a randomized crossover trial(Plant Foods for Human Nutrition 2019年8月15日)
ヒトにおけるわかめ摂取が食後脂質代謝に与える影響(⽇本栄養・⾷糧学会誌 2019年72巻6号)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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