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2018年12月28日
年末年始は糖尿病のコントロールを乱しやすい 乗り切るための8ヵ条
年末年始は、ふだんの生活スタイルを維持するのが難しく、血糖コントロールを乱しやすく、体重も増やしやすい時期だ。米国糖尿病学会(ADA)や英国糖尿病学会(Diabetes UK)は、この時期を上手に乗り切るために、簡単に実行できる8項目の対策をアドバイスしている。
食事の偏り、運動不足、ストレス・・・
年末年始には注意が必要
年末年始は、忘年会や新年会、パーティーなどが続き、ふだんの生活スタイルを維持するのが難しくなる。家族や親戚、仲間が集まり、リラックスして過ごせる機会が増えるが、そのため食事に偏りが出たり、運動不足になり、余分なストレスをためこむおそれがある。
「休日が続くと、食べ過ぎと運動不足が重なり、体重を増やし、血糖コントロールを乱す人が多く出てきます。とくに食事では注意が必要です」と、テキサス大学看護学部学部長のガイル ティメルマン氏は言う。
「休日にはふだん通りの食事を続けるのが難しくなります。そんなときでも食べるスピードを意識的に遅くし、一口一口をよく味わって食べることが必要です。重要なことは、食物をよく噛んで、味わって食べることです」と、ティメルマン氏はアドバイスしている。
米国糖尿病学会(ADA)などは、ホリデーシーズンを健康的に過ごすために、次の対策をするようアドバイスしている。
年末年始には注意が必要
1 年末年始をどう過ごすか計画を練る
2 食事はシンプルに計画的に
3 運動を続ける
4 食べ過ぎたカロリーを運動で燃焼するのは大変
5 自分が何を食べたいのか考えよう
6 食物繊維を十分に摂る
7 ストレスをためない
ストレスによって、血糖や血圧のコントロールに悪影響が出てくるおそれがある。ふだん通りの食事を続けられなくなったり、アルコールを飲み過ぎたり、運動不足が続くことも、ストレスの原因になる。
年末年始の休暇には、想定外の用事が入り忙しくなり、さらに生活が乱れやすくなる。この時期に外せない予定を作り過ぎないようにし、余裕をもって計画をたてよう。
たとえ計画通りに1日を過ごせないときでも、くよくよと悩まないようにし、家族や仲間とともに過ごす時間を楽しもう。次の日から、食事や運動、血糖自己測定などの日課を取り戻せば、休日を有意義に過ごせる。
睡眠を十分にとることも大切だ。睡眠不足になると、高脂肪・高糖質の食品を食べたくなり、血糖コントロールを良好に保つのが難しくなる。7〜8時間の睡眠時間を目安に、余裕をもって1日を過ごそう。
8 体重を毎日はかる
おせち料理はカロリー・塩分が多い
2型糖尿病などの生活習慣病の食事療法では、「食べてはいけないものはない」とされている。しかし、一般的なおせち料理の多くは味が濃く仕上げてあり、1食でカロリー1,000kcal、塩分10gを超えることもあるので注意が必要だ。
おせち料理は保存性を高めるために味付けが濃く、糖分・塩分・酢などを多く使ってあるのが特徴。「栗きんとん」「伊達巻き」「黒豆」は特にカロリーが多い。「田作り」「数の子」「かまぼこ」「エビの煮物」も塩分が多いので、1回に全種類を無理に食べないことが大切だ。
「紅白なます」「煮しめ」などの野菜料理を自分で作るときは、だしや柑橘類の香りを効かせて減塩しよう。
おせち料理は、3日続けて食べなければいけないわけではない。お祝い膳を気持ち程度にとどめて、ふだんの食事に早く戻した方が無難だ。
餅は高カロリー
餅は、もち米をふかして突き固めた保存食で、ご飯に比べると水分量が少なく密度が高いのが特徴。
ご飯1杯(150g)のカロリーは252kcalなのに対して、切り餅1個(50g)のカロリーは117kcal。つまり餅2個とご飯一杯のカロリーは同じくらいになる。餅は2個までにとどめた方が無難だ。
もちを使ったメニューのお勧めは、野菜をたっぷり使ったお雑煮だ。きなこもちやぜんざいなどは砂糖を多く使っているが、野菜を一緒に摂れるお雑煮は食物繊維も摂れるので、血糖値の上昇を抑えられる。
冬の鍋料理は栄養面でも優れている
鍋料理は豆腐、魚、肉など、いろいろな食材を使ったものがあり、味付けも多彩にある。これに野菜類を加えれば、蛋白質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとることができる。
野菜をたっぷり入れ、きのこ、こんにゃく、昆布などを使った鍋料理を食べるのは、寒い冬には堪えられない。
鍋料理は短い時間で調理でき、大勢で食べても、1人や2人で食べても楽しめる。水と昆布で野菜などを煮る「常夜鍋」は、いたって簡単に作れる。小ぶりの土鍋に昆布を引き、醤油で薄味にして(あれば日本酒を加える)、ほうれん草や小松菜、白菜と、豚肉の薄切りをゆでながら、ゆったりとした時間を楽しめる。
Holiday Meal Planning(米国糖尿病学会)Christmas and diabetes(英国糖尿病学会)
6 tips for reducing holiday waste and waist(ハーバード公衆衛生大学院 2015年11月23日)
5 Healthy Eating Tips for the Holidays(米国疾病予防管理センター 2017年11月30日)
Try Mindful Eating This Holiday Season to Keep Off the Pounds(テキサス大学 2018年1月4日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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