ニュース
2018年09月15日
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果
「ミドリムシ」に含まれるカロテノイドの色素成分が血糖値の上昇を抑制する――ユーグレナは、「ミドリムシ」(学名:ユーグレナ)に含まれるカロテノイドである「ジアトキサンチン」の色素成分を継続して摂取すると、血糖値の上昇が抑制されるという研究を発表した。
ミドリムシに血糖上昇を抑えるカロテノイドが
研究は、ユーグレナが京都大学農学研究科応用生物科学専攻の菅原達也教授と共同で行ったもので、2018年9月に神戸で開催された第57回日本油化学会で発表された。
ユーグレナは、植物と動物の両方の特徴をもつ微細藻類。食と環境の問題に対策できる新素材として期待されている。同社は2005年に世界ではじめて、ユーグレナの食用屋外大量培養に成功した。
ユーグレナは、ビタミン類やミネラルなどを豊富に含み、栄養バランスが優れており、機能性食品に活用されているほか、化粧品、バイオ燃料などにも使われている。
関連情報
研究グループは、血糖値への影響を調べるために、高脂肪食と高脂肪食にユーグレナ由来ジアトキサンチン含有カロテノイドを入れたエサをマウスに与える実験を行った。
マウスを、(1)通常食を与える群、(2)高脂肪食を与える群、(3)高脂肪食にユーグレナ由来のジアトキサンチンを入れたエサを与える群の3つに分け、それぞれ6週間経口摂取させた後に血糖値を測定した。
その結果、(3)の高脂肪食とユーグレナの成分を摂取したマウス群は、(2)の高脂肪食のみを摂取したマウスよりも血糖値の上昇が抑制されることが確認された。
ユーグレナ由来のカロテノイドは、血糖値の上昇を抑制することが明らかになった。ユーグレナに糖尿病と糖尿病合併症を予防し症状を緩和する効果がある可能性がある。
京都大学農学研究科応用生物科学専攻海洋生物生産利用学分野
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
医薬品/インスリンの関連記事
- 糖尿病の治療を続けて生涯にわたり健康生活 40年後も合併症リスクが大幅減少 最長の糖尿病研究「UKPDS」で明らかに
- インスリンを飲み薬に 「経口インスリン」の開発が前進 糖尿病の人の負担を減らすために
- 1型糖尿病の人の4人に1人が摂食障害? 注射のスキップなど 若年だけでなく成人もケアが必要
- 糖尿病の人は腎臓病のリスクが高い 腎臓を守るために何が必要? 「糖尿病・腎臓病アトラス」を公開
- 糖尿病は治る病気? 大幅な体重減少を達成した人は糖尿病が「寛解」 体重を増やさないことが大切
- 1型糖尿病の根治を目指す「バイオ⼈⼯膵島移植」 研究を支援し「サイエンスフォーラム」も開催 ⽇本IDDMネットワーク
- 糖尿病のある人は「がんのリスク」が高い 飲み薬のメトホルミンがリスクを減少 がん予防で必要なことは?
- 糖尿病と高血圧のある腎不全の男性を透析から解放 世界初の「異種移植」が成功
- 1型糖尿病患者に「CGM+インスリンポンプ」を提供 必要とする人が使えるように 英国で5ヵ年戦略を開始
- 糖尿病とともに生きる人の寿命は延びている 自分らしく長生き いますぐ取り組むべき「8つの生活スタイル」