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2017年09月15日

「ロコモ」予防のための運動「ACTIVE5」 3分間エクササイズで予防

 COI「アクティブ・フォー・オール拠点」は、ロコモ対策のための3分間でできる運動プログラム「ACTIVE5」を公開した。ビデオも公表している。
ロコモの該当者と予備群は4,700万人
 「ロコモティブシンドローム」(ロコモ)は、骨、軟骨、筋肉、関節、椎間板といった運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態。

 病気や加齢に伴い、移動能力が低下するロコモは、メタボリックシンドロームの悪化やサルコペニア(加齢性筋萎縮)を経て発症し、寝たきり、要介護状態の主な原因となっている。

 日本にはロコモの該当者と予備群がおよそ4,700万人いると推定されている。

 ロコモが進行すると支援や介護が必要になるリスクが高まる。いつまでも自分の足で歩き続けることができるために、ロコモを予防し健康寿命を延ばしていくことが求められている。
ロコモ予防運動「ACTIVE 5」 三世代シンクロバージョン
「ロコモ時計」を巻き戻す 若いうちから対策が必要
 「ACTIVE5」は、立命館大学スポーツ健康科学部学部長・教授で科学技術振興機構COI(センター・オブ・イノベーション)アクティブ・フォー・オール拠点*研究リーダーの伊坂忠夫氏と、順天堂大学学長特別補佐でCOIサテライトリーダーの木南英紀氏らが考案したもの。

 健康寿命を延ばしQOL(生活の質)を高めるためには、若い世代からの健康づくりを通じたロコモ対策が重要となる。こうした課題を受け、「ACTIVE5」は、COI「アクティブ・フォー・オール拠点」の研究成果をもとに考案された。

 「ACTIVE5」は、子ども、大人、シニアといった3世代別に区分された3種類の3分間エクササイズとなっている。

 このエクササイズの振り付け動作は、運動生理学の知見から順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科(内藤久士研究科長)の町田修一先任准教授と、舞踊家であり、モダンバレエを基礎にした独自のダンス体操を指導している立命館R-GIRO客員研究員、増田晶子(シアーハッピネス代表)が担当した。
子ども、大人、シニアに区分された3分間エクササイズ
 骨や筋肉の量のピークは20〜30歳代。40〜50歳代を過ぎると身体の衰えを感じやすくなり、60歳代以降に骨や筋肉が弱ると、思うように動けない身体になってしまう可能性がある。

 骨や筋肉は適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで、強く丈夫に維持される。

 筋肉、骨と同様に軟骨や椎間板にも運動や生活活動によって適正な負荷がかかることが必要だ。

 ただし、過度なスポーツや過体重によって「負担をかけられすぎる」と、軟骨や椎間板は逆に傷んでしまうおそれがある。また、やせすぎると筋肉や骨は弱くなってしまいます。肥満もやせすぎも良くない。

 「ACTIVE5」は、ロコモ予防に必要な運動を3分間で無理なくまんべんなく行えるように工夫されている。子ども、大人、シニアといった3世代別に区分することで、効率よくロコモ予防に取り組められるようになっている。

 3世代が同一空間・同じ曲で各世代異なった振り付で同期(シンクロ)を楽しめるよう工夫されている。
ACTIVE5  働き世代バージョン

ACTIVE5 シニア反転

ACTIVE5 キッズバージョン
* 「アクティブ・フォー・オール」拠点は、文部科学省が10年後の社会を見据えて設定した3つのテーマ「少子高齢化先進国としての持続性確保」「豊かな生活環境の構築(繁栄し尊敬される国へ)」「活気ある持続可能な社会の構築」に対する研究開発に最長9年間の支援を行うプロジェクト。

文部科学省 革新的イノベーション創出プログラム アクティブ・フォー・オール拠点
立命館大学スポーツ健康科学部
順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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