ニュース
2016年01月04日
カフェイン入り「エナジードリンク」で糖尿病が悪化 日本でも死亡例
- キーワード
- 食事療法
若者に好まれる「エナジードリンク」と呼ばれるカフェイン入り清涼飲料水が健康障害を引き起こす可能性がある。糖尿病の発症リスクを高めるのに加え、国内ではカフェインの急性中毒による死亡例も報告された。「飲み過ぎには注意が必要だ」と専門家は指摘している。
「眠気覚まし」で飲むと思わぬ危険が
「エナジードリンク」と呼ばれるカフェイン入り清涼飲料水を長期にわたって日常的に飲んでいた九州地方の20代男性が、カフェイン中毒で死亡していたことが、福岡大学法医学教室の分析で12月に分かった。
死亡した男性は長期にわたってシフト制の仕事に就き、夜間に働いていたという。眠気を覚ますため、カフェインを含むエナジードリンクや錠剤を日常的に摂取し、死亡する約1年前からめまいやおう吐など体調不良を訴えていた。
死亡当日も帰宅後に吐いて寝込んでいた。数時間後に家族が異変に気付き、救急搬送したが手遅れだった。
福岡大学の久保真一教授(法医学)は警察からの依頼を受け、司法解剖を実施。男性は持病がなかったが、胃の内容物や血液などからアルコールに加え、血液中から182μg/mLという高濃度のカフェインが検出され、カフェイン中毒と判定された。
「カフェイン中毒による死亡が確認された例は日本ではじめてではないか。カフェインの大量摂取により健康被害が起きる可能性があり、特にアルコールと同時に摂取すると危険性が高まる」と久保教授は指摘している。
「カフェイン摂取量は1日400mg未満に」と提言
エナジードリンクのカフェインが糖尿病を引き起こす
Energy drink consumption impairs oral glucose tolerance in adolescents: a randomized, double-blind, crossover pilot study(カルガリー大学 2015年12月7日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
食事療法の関連記事
- 「和食」が認知症リスクを低下 日本型の食事は脳の健康にも良い 糖尿病の人は認知症リスクが高い
- どんな食事スタイルの人が糖尿病リスクが高い? 食事を改善する簡単な方法「食べることに意識を集中」
- 暑い夏の水分補給 甘い飲み物を水に置き換えると糖尿病リスクは低下 食事改善にも役立つ「上手な水の飲み方」
- スマホで写真を撮ると食事改善がうまくいく 糖尿病の治療に活用 食事の振り返りができる
- 糖尿病の人は胃がんのリスクが高い どうすれば対策できる? 胃がんを予防するための6つの方法
- ブルーベリーが腸内環境を健康にして糖尿病や肥満を改善 メントールから抗肥満・抗炎症の化合物
- 糖尿病の人は腎臓病のリスクが高い 腎臓を守るために何が必要? 「糖尿病・腎臓病アトラス」を公開
- 緑茶を飲んでいる人は糖尿病リスクが低下 心臓病や脳卒中が減少 緑茶は歯周病の予防にも良い?
- 今年も猛暑に 「良い睡眠」で対策 睡眠不足は糖尿病を悪化 暑い夏の夜でもぐっすり眠る3つの方法
- 植物性食品が中心の食事スタイルが糖尿病リスクを低下 心臓血管病・がん・うつ病のリスクも減少