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2015年10月09日
ダイエット飲料で血糖を下げられる? かえって過食が増えることも
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研究チームが2万2,513人の米国成人男女のデータを解析した結果、ダイエット飲料をよく飲む人は、糖分、塩分、脂質、コレステロールを多く含む不健康な嗜好食品を食べ過ぎている傾向があることが明らかになった。
イリノイ大学のルオペン アン教授(運動生理学・地域医療学)らは、米国健康・栄養調査(NHANES)の20年分のデータを解析した。調査の参加者は2回にわたり、その日に摂取した食品全てについて記録した。
米農務省の食品データベースでは、主要な食品カテゴリーに収まらない、身体を維持するために必須でない食品は嗜好食品として分類されている。嗜好食品は661品目あり、クッキーやアイスクリーム、チョコレート、ケーキ類、フライド・ポテトのような、高カロリーで栄養価の低いものが含まれている。
調査に参加した人の90%以上が、この嗜好食品を1日1回以上摂取しており、その平均摂取カロリーは1日482kcalだった。
また、参加者が報告した飲料は次の5つのタイプに分類された。ダイエット飲料、加糖飲料、コーヒー、紅茶、アルコール。
参加者の97%が5つの種類の飲料のどれかを1日に1回以上摂取しており、41%は2種類以上を、25%以上が3種類以上をそれぞれ摂取していた。
摂取カロリーがもっとも多い飲料はアルコールで、1日の平均384kcalを摂取していた。次いで加糖飲料の226kcal、コーヒー108kcal、ダイエット飲料69kcalの順に多かった。

「ダイエット飲料を飲んだ者は、より多く食べることが正当化されたと思うかもしれません。あるいは満足できないために、高カロリーの食品に手を伸ばしている可能性があります」と、アン教授は言う。
あるいは、健康的でない食品を食べてしまった埋め合わせとして、ダイエット飲料を利用している可能性も考えられるという。
「加糖飲料をダイエット飲料に置き換えても、フライド・ポテトのような嗜好食品を食べてしまっては効果を得られません。1日の食事の摂取量を記録して、どの食品を摂り過ぎているかをチェックすることをお勧めします」と、アン教授は述べている。
Diet beverage drinkers compensate by eating unhealthy food, study finds(イリノイ大学 2015年9月11日)
Beverage Consumption in Relation to Discretionary Food Intake and Diet Quality among US Adults, 2003 to 2012(Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics 2015年9月11日)
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