ニュース
2015年05月19日
インスリン使用者の3分の1が“日中・夜間を問わず”低血糖を経験
インスリン治療を続けながら、普通の生活を過ごすのが、ときには難しいことがある。「インスリン-ライフ・バランス」では、「インスリン治療と日常生活の調和」の実現を目指し、効果的な解決策を探る考え方を示している。
今回の調査では、インスリン治療における低血糖リスクと血糖コントロールの2点に着目した。結果は1枚の絵で分かりやすく解説して「インフォグラフィック」としてもまとめ、ウェブ上で公開されている。
低血糖リスクは日中・夜間を問わず1日を通じてあり、午前から夜にかけての日中に低血糖を起こしたことがある患者は47.0%、夜中から早朝にかけての夜間低血糖は26.6%だった。
さらに、低血糖を起こした場合に「必ずしも医師へ話さない」と回答した患者が43.9%に上り、医師も把握していない低血糖の潜在的な患者がいることが示唆された。

さらに、患者にとっては補食することそのものがストレスへつながっており、低血糖予防のための補食では47.2%がストレスを感じると回答した。
このように低血糖を予防するための行為そのものが治療への悪影響だけでなく、患者のQOL低下へつながっていることが懸念される。

その背景として、低血糖リスクに対する懸念から、血糖コントロールに必要なインスリン容量を適切に注射していないケースもあると考えられる。
今後登場する新規のインスリン製剤への期待については、「血糖コントロールが改善される」ことが76.5%ともっとも高く、次が「針の痛みが少ないこと」(42.6%)であり、最も期待することでは「長期の安全性」が血糖改善効果に次いで2位に挙げられた。

「容認できない低血糖を起こすことなく、できるだけ健康な人のHbA1cに近づけていくという理想的なインスリン治療の実現に、患者さんの治療と日常生活の調和を図る“インスリン-ライフ・バランス”の視点が欠かせません」と、寺内教授は指摘している。
「インスリン-ライフ・バランス調査」は、1月10日〜19日にインターネットで実施。基礎インスリン製剤を1日に2回以下注射している糖尿病患者707人(1型糖尿病76人・2型糖尿病631人)が回答した。
よくわかるインスリン 糖尿病治療でしっかり血糖値を下げる。インスリン注射に前向きに(サノフィ)
おすすめニュースの関連記事
- 糖尿病患者さんと医療スタッフのための情報サイト「糖尿病ネットワーク」がトップページをリニューアル!
- インスリン注射の「飲み薬化」を目指すプロジェクトが進行中!ファルストマと慶応大学の共同研究による挑戦[PR]
- 小倉智昭さんが当事者として腎臓病のことを医師に質問!
- 世界の8億人以上が糖尿病 糖尿病人口は30年で4倍以上に増加 半分が十分な治療を受けていない
- 【世界糖尿病デー】糖尿病の人の8割近くが不安やうつを経験 解決策は? 国際糖尿病連合
- 【インフルエンザ流行に備えて】糖尿病の人は予防のために「ワクチン接種」を受けることを推奨
- 【11月14日は世界糖尿病デー】世界の5億人超が糖尿病 「糖尿病とウェルビーイング」をテーマに参加を呼びかけ
- 特集コーナー『腎臓の健康道~つながって知る、人生100年のKidney Journey~』を公開
- 【座談会】先生たちのSAP体験談2 インスリンポンプの新機能を使って
- 糖尿病のインスリン療法(BOT)で注射量の調整を自分で行うことに不安を感じている人は半数 ネットワークアンケートより