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2015年02月26日
緑茶の健康効果に世界が注目 脂肪の燃焼を促しがん予防の効果も
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緑茶に含まれる栄養素のうち、数多くの生理作用が報告されているのが、渋味成分であるカテキン類。緑茶葉には乾燥重量で10~20%のカテキン類が含まれているが、そのおよそ半数を占めるのが「エピガロカテキンガレート」(EGCG)だ。EGCGはウーロン茶や紅茶にはほとんど含まれていないので、緑茶を特徴付けている成分といえる。
緑茶を飲んで運動をすると体脂肪が減少しやすくなることが、英国のアングリア ラスキン大学の研究で明らかになった。
研究には、平均年齢が21.4歳で平均脂肪率が16.8%の男性14人が参加。7人は緑茶6~7杯に相当する成分の入ったカプセルを1日に1つ、残りの7人には偽薬を4週間服用した。
緑茶カプセルには緑茶成分であるEGCGが400mg(1日分)含まれていた。カフェイン以外の成分の効果を調べるため、カフェインを取り除いたカプセルが使用された。
参加者にエアロバイクで運動を続けてもらった結果、緑茶カプセルを服用したグループは、偽薬グループに比べ体脂肪が1.63%多く減っていた。
さらに緑茶カプセルを服用したグループは、脂質の酸化量が25%増えていた。体に取り込まれた脂肪酸は酸化され、筋肉を動かすエネルギー源になる「アデノシン三リン酸」(ATP)の合成に利用される。脂質の酸化量の増加は、より多くの脂肪が燃焼したことを示している。
「運動を習慣として続けている人が緑茶を毎日飲むと、脂肪が燃焼しやすくなり、体脂肪が減少することが明らかになりました。運動する習慣のある人が緑茶を毎日飲むと、運動の効果が高まる可能性があります」と、研究著者のジャスティン ロバーツ氏は言う。
研究チームは、実験室で正常な細胞と口腔がん細胞を成長させ、緑茶のチューインガムを噛んだ後に唾液中に含まれる程度の濃度のEGCGを加えた。酸化ストレスなどを測定する蛍光染料を用いた画像処理により、EGCGがどのような抗酸化反応を引き起こすかを調べた。
細胞の中には「ミトコンドリア」という小器官があり、燃料である糖や脂肪を燃焼させ、体が活動するためのエネルギーを作り出している。ミトコンドリアでのエネルギー代謝の過程で放出される「活性酸素種」はがん細胞を破壊することが知られている。
緑茶に含まれるEGCGが活性酸素種を増やし、がん細胞を破壊されやすくする。さらにEGCGには、がん細胞の酸化に対する防御機能(抗酸化反応)を低下させる作用もある可能性がある。
研究を主導したジョシュア・ランバート准教授によると、こうした反応の違いには抗酸化反応に重要な役割を果たすタンパク質「サーチュイン3」が関与しているという。
EGCGははがん細胞内にあるサーチュイン3の活性に影響して、抗酸化反応をがん細胞ではオフにし、正常細胞ではオンにしている。そのため、健康な細胞は保護され、がん細胞だけを減らす効果を得られるという。
「今回の研究は口腔がんについて調べたものですが、緑茶の成分はそれ以外のさまざまな種類のがんの予防に役立つ可能性があります」と、ランバート准教授は述べている。
日本の国立がん研究センターの大規模調査でも、緑茶をよく飲む人ではがんや脳卒中、心筋梗塞の発症が少ない傾向があることが示された。緑茶にはこれ以外にも「インフルエンザの予防」や「脳の老化防止」にも役立つという研究も発表されている。
毎日の食生活に緑茶を取り入れると多くのメリットを得られることが、さまざまな研究で確かめられている。
Green tea could aid weight loss - new study(アングリア ラスキン大学 2015年2月6日)
Green tea ingredient may target protein to kill oral cancer cells(ペンシルベニア州立大学 2015年1月28日)
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