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2015年01月23日
全粒穀物(ホールグレイン)のパンや玄米を食べると長生きできる
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全粒穀物は外皮や胚乳を含めて小麦を丸ごと粉にした全粒粉を使ったパンなどに加工して食べられている。日本では玄米や雑穀を混ぜて炊いたご飯やそばなどがある。
小麦の栄養成分は外皮、胚乳、胚芽に含まれているが、小麦粉に精製加工すると、胚乳だけが残り外皮や胚芽がとり除かれてしまう。日常で広く食べられている精製加工された小麦粉では、その工程でビタミンやミネラルの半分以上と、食物繊維のほとんどが失われてしまう。
小麦の外皮はふすまで、食物繊維が多く含まれ整腸作用があるのに加え、ビタミンB、ナイアシンなどのビタミン類、鉄、銅、マグネシウム、カリウム、リン、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれる。
また、小麦胚芽はタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で栄養価が高い。特に、ビタミンB、ビタミンEが多く含まれる。ビタミンEには抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑えて、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ作用がある。
全粒穀物に含まれるフィトケミカルには抗酸化性があり、細胞の老化を防いだり、血管の若さを保ち、動脈硬化の予防に役立つ。
米国農務省がまとめた「米国人のための食事ガイドライン」では、全粒穀物を毎日の食卓に取り入れるよう勧めている。穀物の半分以上は全粒穀物にし、1日に85g(3オンズ)以上の全粒穀物製品をとるのが健康的な食事だという。100%全粒小麦の食パン1切り(28g)を3枚食べると、必要量を満たせる。

期間中に2万7,000人が死亡したが、全粒穀物を1日28g以上食べる人の死亡率は全粒穀物をほとんど食べない人より5%低かった。
中でも、心筋梗塞や心臓発作などの心血管疾患で死ぬリスクが9%も低かった。一方で、がんによる死亡リスクは変わらなかったという。
全粒穀物、ふすま、胚芽といった食品を食べていると、2型糖尿病の予防につながることも明らかになっている。
研究チームが約16万2,000人の女性を12年間から18年間追跡した調査で、全粒穀物が多い人では糖尿病の発症リスクが最大で35%低下することが判明した。全粒穀物の摂取が1日2回増えると、糖尿病の発症は21%低下することも明らかになった。
玄米にも糖尿病を予防する効果がある。約19万7,000人の女性を14年間から22年間追跡した調査によると、玄米をよく食べる人では2型糖尿病の発症リスクが低下することが分かった。
1日の摂取量の3分の1に相当する50gの白米を、同じ量の玄米にかえると、2型糖尿病の発症リスクは16%低下した。さらに、ふすまを多く含む全粒穀物を加えてとるようにすると、発症リスクは36%も低下した。
心臓病や2型糖尿病のリスクを低下させる目安は、パンや米を1日に1回、全粒穀物を使ったものや、玄米、雑穀米に変えることだという。
全粒穀物には食物繊維が豊富に含まれるので、普通の食パンよりも全粒粉のパンのほうが腹持ちが良いので、空腹感を抑えられる。また、硬いのでよく噛まないと飲み込めない。ゆっくりと良く噛むことで食べすぎを抑えることもできる。食後の高血糖の改善が期待できるなど、糖尿病患者にとってもメリットが多い。
「米国の食事ガイドラインでは、全粒穀物を1日に1回以上食べることを勧めています。研究では、全粒穀物を食べることで生活習慣病を予防でき、寿命を延ばせることが示されました。精製されていない穀類を食べ続ければ、健康に大きな差が出てきます」と、ハーバード公衆衛生大学院のQi Sun氏(栄養学)は強調している。
More whole grains linked with lower mortality(ハーバード公衆衛生大学院 2015年1月5日)
Whole Grain, Bran, and Germ Intake and Risk of Type 2 Diabetes: A Prospective Cohort Study and Systematic Review(PLOS Medicine 2007年8月28日)
White Rice, Brown Rice, and Risk of Type 2 Diabetes in US Men and Women(Archives of Internal Medicine 2010年6月14日)
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