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2014年09月10日
1型糖尿病の子供の学校生活をサポートする法律が英国で施行
1型糖尿病の子供の学校でのサポートを支援する法律が、英国で2014年9月に施行された。1型糖尿病をもつ子供の健康状態に合わせて、必要なケアを適切に提供できる環境を学校に整備することが目指されている。
この法律は、英国糖尿病学会(Diabetes UK)などの医療関連のチャリティーや患者団体が活動し、昨年10月に共同で立法を提出していたもので、1型糖尿病以外に喘息やてんかんなどの疾患にも適用される。
適切なケアを施せば学校生活と療養を両立できる
英国糖尿病学会は「子供にとって家庭と学校が生活の大部分を占めるといっても過言ではありません。従来の制度では、1型糖尿病をもっている多くの子供が、学校で必要なケアを得られず、不健康な経験を強いられていましたが、それらの多くは回避できるものです。1型糖尿病の子供が学校の健全な活動に参加できない事態を防ぐべきです」と、コメントを発表した。
家庭と学校は、1型糖尿病の子供にとって、医療と同じように生活の基本となる。学校には、子供の自立を促し、社会への積極的な参加をサポートする役割が求められる。インスリン注射、血糖測定、運動、食事など糖尿病の療養を行うためのセルフケア行動が、毎日の生活の中で行われる。1型糖尿病はインスリンを注射で補う治療が中心となる疾患だが、これができれば普通に生活することができ、慣れていくと生活の一部になっていく。
治療がスムーズにできるようになり、血糖コントロールが良好に維持できるようになると、特別な制限は必要ではなくなる。血糖を上手にコントロールするために必要な日常生活の中での治療のポイントを患者が自分で見出すことが重要だが、そのためには周囲のサポートが必要となる場合もある。
「糖尿病とともに生きる子供たちにとって、現状では学校のサポートは必ずしも十分に整備されていません。1型糖尿病は、患者だけでなく、家族にとっても負担を強いる病気です。発症して間もない子供が療養生活を続けられるように、仕事をやめてしまう親も少なくありません。しかし、適切なケアを施せば、学校生活と療養の両立は可能です」と、英国糖尿病学会の政策部長のロビン ヒューイング氏は言う。
「学校は1型糖尿病についての適正な知識をもち、子供が必要とする医療的なニーズを理解し、安全にコンディションを管理できるようにすることが望まれます。今回の法律施行が、糖尿病の子供たちに必要なサポートを提供できる環境づくりのきっかけになると期待しています」としている。
1型糖尿病の子供に同じ経験をして欲しくない
Amelia Lily backs new schools support for children with diabetes(Diabetes UK 2014年9月4日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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