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2014年08月22日
外食で摂取カロリーが200kcal増える カロリー表示の利用を呼び掛け
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外食にもファストフード、ファミリーレストラン、カフェテリア、フルコースを味わえる高級レストランまで、さまざまなものがあるが、どの形態の外食でも、内食より1回あたり平均200kcal多くなることが調査で分かった。
米国がん学会とイリノイ大学の研究者が、米国健康・栄養調査(NHANES)に参加した20〜64歳の1万2,528人の食生活について調査を行った。それによると、外食で摂取が多くなるのはカロリーだけではなく、糖分や塩分、飽和脂肪酸の摂取量も多めになるという。
セルフサービスのファストフード店で食事をすると、内食した場合に比べ、カロリーは194.49kcal、飽和脂肪酸が3.48g、糖分が3.95g、ナトリウムが296.38mg、平均して増えていた。
フルサービスのレストランで食事をした場合は、カロリーが205.21kcal、飽和脂肪酸が2.52g、ナトリウムが451.06mg、内食した場合よりも平均して増えるという。
「たかが200kal」と思う人もいるかもしれない。しかし、たまの外食ならいいかもしれないが、これが1週間に数回となると、合計するとかなりの量になる。頻繁に繰り返すと、1年後には体重が数kg増えていたということになりかねない。
カロリーや飽和脂肪酸、塩分などを過剰に摂取すると、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病のリスクが上昇する。外食では、野菜や果物の量が減り、ビタミン摂取量も減少する傾向があることも報告された。
それはメニューの「カロリー表示」を必ず見るということだ。米国では最近、食品のカロリーを表示する機運が高まっており、ニューヨーク市やカリフォルニア州ではメニューのカロリー表示を義務付けられている。
ジョージア州立大学のジェフリー パーカー助教(マーケティング学)の調査では、外食のメニューにカロリー表示をすると、摂取カロリーが15%減ることが明らかになった。
研究チームは、平均年齢31歳の米国人272人を対象に調査を行った。レストランの料理にカロリーを表示したメニューと、カロリーの表示のないメニューを見た場合に、料理の注文にどのような変化が起こるかを観察した。
その結果、カロリー表示を女性の3分の2はチェックし、男性は半数がチェックしたという。カロリー表示を見た場合は、低カロリーの料理を注文する頻度が高かった。
メニューのカロリー表示の利用率には州により差があり、もっとも利用率の低いモンタナ州で48.7%、もっとも利用率の高いニューヨーク州で61.3%だった。
米連邦議会は2010年、医療保険制度改革法の一環として、20店舗以上の系列店をもつレストランではメニューにカロリーや栄養成分を表示するよう義務付ける法案を可決した。
実際にはレストランでの表示を義務付ける規制はまだ発効されていないが、一部のレストランは自主的にカロリーや栄養素の表示を行っているという。特にニューヨーク市のように表示を義務付ける条例がある地域では、カロリーや栄養表示の利用率が上昇している。
Eating at Fast Food and Full Service Restaurants Associated with Higher Calories, Poorer Nutrition(米国がん学会 2014年8月7日)
Low-Calorie Restaurant Menus: Are They Making Us Fat?(シカゴ大学 2014年4月15日)
Restaurant Menu Labeling Use Among Adults -- 17 States, 2012(米国疾病管理予防センター 2014年7月11日)
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