ニュース
2014年03月19日
魚をよく食べる食事スタイルは心臓を健康にする
- キーワード
- 食事療法


研究は、米国立保健研究所(NIH)による資金提供を受け、40〜49歳の日本人214人と、ハワイとフィラデルフィアに在住している米国白人152人を対象に2002〜2006年に行われた。心疾患を評価するために、心臓の動脈の冠状動脈の石灰化を、CTスキャナーによるコンピュータ断層撮影で調べ、動脈硬化に関連の深いアテローム性動脈硬化症を評価した。
その結果、日本人は、冠動脈石灰化と頸動脈の肥厚が有意に少なく、アテローム性動脈硬化症が少ないことがあきらかになった。米国人は日本人に比べ、冠動脈石灰化の頻度が3倍高かった。喫煙、コレステロール値、アルコール摂取、糖尿病、高血圧症などの罹病率などの影響を取り除いて調整しても、この傾向は明らかだった。
「魚類に含まれる油には、心疾患や糖尿病を予防する効果がある。日本人では米国人に比べ、心疾患の発症が少ないのは、日本人が魚をよく食べていることが影響している。魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸が炎症を抑制し、プラーク形成を遅くしている可能性がある」と、関川氏は説明する。
魚をよく食べる日本人では、糖尿病の発症率も抑えられる傾向がみられた。魚類を摂取することで心疾患や2型糖尿病の発症率が低下することは、過去の研究でも確かめられている。日本のJPHC研究では、小・中型魚(アジ、イワシ、サンマ、サバ)や脂の多い魚(サケ、マス、アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギ)をよく食べている人では、2型糖尿病の発症率が低下することが判明した。小・中型魚をよく食べている人では2型糖尿病の発症率が最大で32%、脂の多い魚をよく食べる人では同21%、それぞれ低下することが示された。
血液検査では総脂肪量とともに、魚に豊富に含まれる脂肪酸(オメガ3脂肪酸)の血中濃度を測定した。総脂肪量は3つのグループで差がなかったが、日本で生活する日本人は魚介類からのオメガ3脂肪酸のレベルが、米国白人よりも100%高かった。
日本に在住している日本人の魚類の平均摂取量は1日に約100gで、米国心臓学会の基準では1.5サービングに相当する。一方、米国人は平均して1日に7〜13gの魚を食べ、週に1サービングを摂取している。
研究者らは、日本人の心疾患のリスクが低いのは遺伝因子では説明できないことで、魚の摂取が多いことに関連していると結論している。EPAやDHAといった二重結合をたくさんもつオメガ3脂肪酸には、血小板凝集能の阻害、血液の粘稠度を下げるなどのはたらきがある。これが、魚をよく食べると虚血性心疾患を予防できる理由のひとつと考えられている。
食事療法の関連記事
- 魚を食べている人は糖尿病リスクが少ない 魚は脳の健康にも良い 中年期の食事改善は効果が高い
- 朝食をしっかりとると糖尿病が改善 血糖管理に大きく影響 朝食で「お腹ポッコリ」肥満を予防
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病リスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- 糖尿病の食事に「ブロッコリー」を活用 アブラナ科の野菜が血糖や血圧を低下 日本でも指定野菜に
- 糖尿病の人はビタミンやミネラルが不足 「食の多様性」が糖尿病リスクを下げる 食事バランスを改善
- 糖尿病の人は脂肪肝にご注意 ストレスはリスクを高める 緑茶を飲むと脂肪肝が減少
- 「玄米」で糖尿病を改善 食事では「低GI食品」を活用 血糖値を上げにくい新しい米を開発
- ウォーキングなどの運動は糖尿病の人に良い 運動で食欲も抑えられる 認知症の予防にもつながる
- アルコールの飲みすぎは危険 糖尿病・高血圧・肥満のある人は肝臓病リスクが2.4倍に上昇 飲酒により糖尿病リスクが上昇
- 【Web講演を公開】2月は「全国生活習慣病予防月間」
今年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」