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2013年08月26日
「インスリン療法と医療費に関する2,650人調査」追加データを公開!
アンケート調査は、今年3月1〜18日にかけてインスリン療法中の糖尿病患者を対象に行われたもの。全国から2,650名(1型患者949名、2型患者1,594名、妊娠糖尿病などその他の患者107名)の有効回答が得られ、現在受けているインスリン療法にかかる医療費の現状が明らかになった。
参照 インスリン療法中の糖尿病患者2,650人の調査結果を発表(2013年06月19日)
今回、追加されたデータは、「医療費の負担感」を属性別に解析したもので、回答者の性別、年齢、居住地(都道府県)、職業の違いによる意識の差を探ってみた。
まず、性別では、男性の91%、女性の84%が「負担である」と回答している。その内訳を見ると「たいへん負担である」と感じているのは女性が35%に対して男性が53%と、男性のほうが重く受け止めていることがわかった。年齢別では、負担を感じている患者は各層で80〜90%に上るが、若年層になるに従い「たいへん負担である」が増加。とくに30代では6割が「たいへん負担である」と回答。医療費に対する意識はライフステージによって変化していくことが顕著に表れる結果となった。地域別では、九州・沖縄、北陸・信越、東北にお住まいの方に「たいへん負担である」の回答が多くみられた。中でも九州・沖縄地方では半数と最も多かった。
医療費の負担感:年齢別
生活のみならず治療継続にも大きな不安
さらに、医療費を支払う収入に直結している職業を見てみた。求職中の方、パート・アルバイトの方の約9割が負担を感じていると答え、その中の同者63%、56%が「たいへん負担」とその深刻さがうかがわれる。不安定な収入の中から毎月1〜2万円もの医療費を支払っていくのは、現実的に考えるとかなり厳しいはず。生きていくために、生活を切り詰め医療費を捻出していることがうかがわれる。意外と盲点だったのが、専業主婦/主夫の方たちだ。「たいへん負担」と感じている人が53%と全職業中の2位となっている。配偶者の収入をやりくりする専業主婦は、社会不況を含めた将来の不安を最も感じているのかもしれない。
医療費の負担感:職業別
本調査の特設コーナーでは、全体の調査結果に加え、追加解析の結果を今後も順次公開していく予定。また、本調査結果をプレス関係者向けにまとめたニュースレターや、医療従事者向けの「スライドコーナー」を新設。パワーポイント版の調査データをダウンロードして講演や資料づくりなど、自由に活用できるようになっている。調査票も公開しているので、患者さんへの聞き取りに活用してみてはいかがだろうか。
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