ニュース
2013年04月25日
緑茶、コーヒーを毎日飲むと脳卒中リスクが低下
- キーワード
- 食事療法

緑茶やコーヒーに脳卒中リスクを低減する効果がみられる理由ははっきりと分かっていないが、研究チームは、緑茶にはカテキン、コーヒーにはクロロゲン酸が含まれることを指摘している。
緑茶に含まれるカテキンには、抗酸化作用、抗炎症作用、抗血栓作用、などの、血管を保護する効果がある。また、コーヒーに含まれるクロロゲン酸にも抗酸化作用があり、動脈硬化などの予防に有効であるという研究が報告されている。
研究チームは、岩手、秋田、茨城、長野、沖縄、新潟、高知、長崎、沖縄に在住していた45?74歳の男女約8万1,978人(男性3万8,029人、女性4万3,949人)を対象にデータを収集。緑茶およびコーヒーを飲む量のほか、通院記録、死亡診断書、心疾患および脳卒中による死亡のデータを追跡した。
平均13年の追跡の結果、緑茶やコーヒーを1日に1杯以上飲む人では、ほとんど飲まない人に比べ、脳卒中リスクが低下することが判明した。
緑茶を「全く飲まない」「週1〜2回飲む」「週3〜6回」「毎日1杯」「毎日2〜3杯」「毎日4杯以上」のグループに分けて解析した。
すると、脳出血のリスクは、ほとんど飲まないグループに比べ、「毎日1杯」が22%、「毎日2〜3杯」が23%、「毎日4杯以上」が35%、それぞれ低かった。
また、脳卒中のリスクは、「毎日1杯」が6%、「毎日2〜3杯」が14%、「毎日4杯以上」が20%、それぞれ低かった。
コーヒーを飲む人でも同様の結果を得られた。脳出血のリスクは、「毎日1杯」が17%、「毎日2杯以上」が18%、それぞれ低かった。脳卒中のリスクは、「毎日1杯」が20%、「毎日2杯以上」が19%、それぞれ低かった。
得られた所見が緑茶およびコーヒーによるものであることを確かめるため、今回の研究では年齢、性別、体重、喫煙、飲酒、食事、運動などの因子が考慮されている。
「これまでにも複数の研究でコーヒーや茶が脳卒中や脳出血の予防に有益な効果をもたらすことが示唆されています。今回の研究は、脳卒中発症との関連を多数の対象者で調べたはじめてのものです」と、国立循環器病研究センターの小久保喜弘氏は述べている。
この研究は、医学誌「Stroke」オンライン版に3月14日付で掲載された。
緑茶・コーヒー摂取と脳卒中発症との関連について(多目的コホート研究「JPHC Study」)
Green tea, coffee may help lower stroke risk(米国心臓学会 2013年3月14日)
食事療法の関連記事
- 魚を食べている人は糖尿病リスクが少ない 魚は脳の健康にも良い 中年期の食事改善は効果が高い
- 朝食をしっかりとると糖尿病が改善 血糖管理に大きく影響 朝食で「お腹ポッコリ」肥満を予防
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病リスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- 糖尿病の食事に「ブロッコリー」を活用 アブラナ科の野菜が血糖や血圧を低下 日本でも指定野菜に
- 糖尿病の人はビタミンやミネラルが不足 「食の多様性」が糖尿病リスクを下げる 食事バランスを改善
- 糖尿病の人は脂肪肝にご注意 ストレスはリスクを高める 緑茶を飲むと脂肪肝が減少
- 「玄米」で糖尿病を改善 食事では「低GI食品」を活用 血糖値を上げにくい新しい米を開発
- ウォーキングなどの運動は糖尿病の人に良い 運動で食欲も抑えられる 認知症の予防にもつながる
- アルコールの飲みすぎは危険 糖尿病・高血圧・肥満のある人は肝臓病リスクが2.4倍に上昇 飲酒により糖尿病リスクが上昇
- 【Web講演を公開】2月は「全国生活習慣病予防月間」
今年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」