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2013年03月27日
塩のとりすぎは高血圧の原因 年間230万人が犠牲に
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- 食事療法

塩は人類にとって馴染みの深い食品で、多くの食品に調味料として用いられている。冷蔵庫が普及する前は、食品の保存料として使われていた。
「ヒトの体の血液や体液には、一定の濃度の塩分が含まれます。塩分は生命を維持するために必要ですが、必要最低量はわずかなものです」と、ハーバード大学公衆衛生大学院のDariush Mozaffarian氏(心血管病疫学)は指摘する。
調査では、成人の1日の食塩摂取量の世界平均は約10gであることが判明した。これは、世界保健機関(WHO)が推奨する量の2倍で、米国心臓学会が推奨する3.8gの3倍に近い。
また、調査の対象となった187ヵ国中の181ヵ国で、食塩摂取量はWHOの推奨量を超えていた。99%の国が塩分をとりすぎており、推奨量を下回っていたのはケニアなど数ヵ国だった。
血圧値と食塩摂取量や食塩排泄量との関連を解析したところ、年齢とともに血圧値が上昇しない地域では、1日の食塩摂取量が約3〜5gにとどまっていた。
「塩分の過剰摂取を防ぐ対策を施すことで、全世界で数百万人の命を救うことができます」と、Mozaffarian氏は強調する。
「糖質の過剰摂取が肥満の増加と関連があると指摘されており、公衆衛生上の問題になっていますが、塩分についてはより深刻だといえます。塩分はより多くの食品に含まれているからです」。
日本高血圧学会は、高血圧の予防のために、血圧が正常な人にも1日6g未満の食塩制限を推奨している。特に糖尿病や慢性腎臓病の人には、心疾患などの循環器病や腎臓病の予防のためにも、1日6g未満の減塩を推奨している。
日本人は、塩分に対する嗜好が強いといわれる。塩分は、加工食品やレストランでの外食、市販の弁当などの食事にも多く含まれている。塩にあふれた現在の環境で減塩の努力することは簡単ではない。
食塩、みそ、しょうゆなどの調味料を減らしても、塩分はパンや麺類、バター、ハムやかまぼこなどの加工食品、インスタント食品などにも含まれている。減塩に成功するためには、味付けや調理法を工夫することが必要だ。

Sodium intake for adults and children(世界保健機関 2013年1月)
日本高血圧学会
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