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2013年01月15日
車での移動を減らしてウォーキング 体重減への近道
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「肥満を予防するために、一般的によく行われるのは、毎日の食事を見直すことです。しかし、生活を少しだけ見直して、身体活動を少しずつ増やしただけでも、食事改善と同等の効果を見込めます」と研究者は述べている。
肥満の要因は、高脂肪・高カロリーの食事、身体活動量の低下など、患者一人ひとり異なるが、根本的には、摂取カロリーと消費カロリーのバランスによって理解できる。身体活動や運動による消費カロリーが、食事による摂取カロリーを上回れば、肥満を予防・改善できる。
実際には現代生活では、消費カロリーはどんどん減っている傾向がある。背景にあるのは乗用車の普及だ。昔は移動は徒歩で行ったが、現在は車を運転することが多い。車の普及は、身体活動の減少に直結している。
「体を動かす時間を確実に増やす方法は、実はとても簡単です。車を運転する代わりに、徒歩や自転車で移動する時間を増やせば良いのです。車はもっとも手軽に早く移動できる手段ではありますが、車社会の到来は肥満の増加と重なっています。皆が車に乗るようになってから、肥満は爆発的に増えました」とヤコブソン氏は指摘する。
ヤコブソン氏らは、生活習慣の変化が肥満に及ぼす影響を調べるために、統計モデルを作成した。車の走行距離を1日1.6km減らす代わりに、同じ距離を歩いた場合と、摂取カロリーを1日100kcal減らした場合の、肥満への影響を比較した。
研究チームは、米国全土のBMIとカロリー摂取量、運転の習慣に関する統計データを調べた。3つの変数の複雑な影響を正確に計算するために、走行距離とカロリー消費、BMIの関連を多可変モデルを活用し解析した。
2010年の米国人の体格指数(BMI)の平均は27.55。米国人がいっせいに1.6kmだけ車に乗るのをやめれば、BMIは6年間で0.21低下することが判明した。一方、摂取カロリーを1日100kcal減らすと、BMIの低下は3年間で0.16にとどまるという結果になった。
「生活を見直して毎日1.6km歩くのは、それほど難しいことではありません。車を使うのをやめ、バスに乗っただけでも変化はあります。毎日バス停まで歩くことは、1日の摂取カロリーを100kcal減らすのと同じくらい、体に良い効果をもたらします」と、ヤコブソン氏は話す。
「大切なことは、体のカロリー摂取と消費のバランスにいつも注意していて、どうすればバランスを体重を減らせる方向に調整できるかを考えることです」(ヤコブソン氏)。
乗用車で移動する距離を1.6km短くした分、肥満や過体重を減らすことができ、結果として何十億ドルもの医療費を減らせることも分かった。それだけでなく、年間ガソリン消費量も減らすこともできるという。
米国人の平均BMIは過去数十年で増加し、肥満に関連する医療費は高騰している。米国経済は増大する医療費による打撃を受けている。カリフォルニア州だけでも、肥満による年間の医療費は420億ドル(3兆7,000万円)近くにのぼる。肥満により米国の年間ガソリン消費量が10億ガロン(約38億リットル)増加するという推定もある。
「今回の研究で分かったことは、私たちは常に選択肢をもっているということです。何をいつ食べるかに気をかけるだけでなく、いつ車を運転するかということには注意を払うべきでしょう。肥満を減らすためには、短い時間であっても運動や身体や活動を増やすことが大切です。小さな変化であっても、それを積み重ねれば大きな結果を生むことができるのです」とヤコブソン氏は強調している。
Study: Curbing car travel could be as effective as cutting calories(イリノイ大学 2012年12月18日)
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