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2012年09月11日
ビール好きはご注意 グラスの形で飲酒ペースは変わる
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英国では過度の飲酒が健康をおびやかす深刻な問題になっている。アトウッド教授率いる研究チームは、グラスの形と飲酒スピードとの関連性を調べるため実験を行った。対象となったのは、アルコール依存の既往歴のない健康な18〜40歳の男女160人。
実験ではカーブしたグラスとまっすぐなグラスの2種類を用意し、それぞれにビールを注いで被験者たちに飲んでもらった。その際、ビールを飲むスピードを計りグラスによって比較したところ、カーブしたグラスで飲んだときのほうが2倍近くペースアップした。同じ実験をソフトドリンクでも行ったが、グラスによる違いはみられなかったという。
また、この2種類のグラスに液体を注いだ写真を見せ、その量が全体の半分よりも多いか少ないかを答えてもらうという実験も行った。液体の量を変えて何度も答えてもらうことで、被験者たちがどれくらい正確にグラスの中身の量を識別できるかを調べた。
その結果、ほとんどの人にとってカーブしたグラスのほうがまっすぐなグラスよりも、グラス中の正確な量を識別しづらいことが判明。驚くことに、正しく認識できなかった人ほど、カーブしたグラスで飲むと飲酒スピードが乱れやすい傾向があるという。
「カーブしたグラスでは量を正確に識別できないため、ペースをコントロールできずにどんどん飲んでしまうおそれがある。酔いがまわる速さや飲む量などは、飲酒のペースの影響を受ける。飲みすぎや悪酔いを避けるために、グラスの形にも注意して、ゆっくりとしたペースで飲むことが勧められる」としている。
世界保健機関(WHO)に2004年にまとめた報告書によると、過度なアルコール摂取は年間に250万人の死亡を引き起こし、アルコールの有害な使用は全死亡の3.8%の要因になっている。
Raise Your Glass! It's Shape May Influence Your Drinking(ブリストル大学 2012年8月31日)
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