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2012年08月16日

夏の靴選びのポイントはコレ 米専門家が指摘

 温度や湿度が高い夏には、足のトラブルが増える。足によく合った靴を選ぶことが足のトラブル対策になる。

靴は暑さや気象の変化から足を守ってくれる
 人間の足は本来は、芝生、砂、砂利などの自然な地面の上を裸足でも歩けるようにつくられている。しかし、今日、地面の多くを覆っているのコンクリートやアスファルトだ。これらの上を裸足で歩けるほど、ヒトの足は丈夫にはできていない。

 靴は足を守るだけでなく、これらの人工的な地面からの衝撃を吸収する役割も果たしている。立っているときも歩いているときも、足は常に地面との最初の接点になる。足と地面との接し方は、体の骨格整列にも影響を与える。

 米国の「足の予防衛生研究所(IPFH)」のボブ・トンプソン氏は、よい靴の条件として次のことを挙げている。

  • 靴のアッパーには、外部は暑さ、寒さ、雨などの気象の変化や、衝撃から足を保護する役割がある。足の汗を出すため、アッパー部分は湿気を吸収する素材がよい。
  • 柔らかい革など伸縮性のある素材でつくられ、調節がきく構造にしてある靴がいい。歩行の際に足が踊らないよう絶えず足を密着でき、足の体積の変化に対応するものが望ましい。
  • 歩行に際しての柔軟性や足当たりにも注意。アッパーが足に密着しすぎると、足を圧迫し、血液の循環が悪くなる。また、靴が大きすぎて靴の中で足が踊る状態だと、靴ずれなどができやすくなる。
  • 靴底には路面のデコボコなどによる衝撃や、釘やガラスなどの危害より足を保護する役割がある。底は歩行がスムーズに行えるよう屈曲性に優れ、滑りにくい素材が望ましい。底が薄いものは路面のデコボコを感じやすく、また、踵部分が高すぎると体のバランスが取りにくくなるので注意が必要。
夏のビーチサンダルはトラブルの原因になる
 足のトラブルは、ケガ、打撲、足首のねんざ、ヤケド、水膨れなどさまざまだが、夏の時期はビーチサンダルが原因となるケースが多いという。

 米国では夏の時期は、ビーチサンダルの愛用者が多い。余暇のビーチに限らず、職場でもビーチサンダルを履いている人は多いが、ビーチサンダルの使用は多くの危険を伴うとトンプソン氏は指摘する。

 ビーチサンダルの多くはゴム底が薄いため、地面からの衝撃をほとんど吸収できないという。また、大半のビーチサンダルは底が全体的に柔らかいものや、底が堅くて全く曲がらないもののどちらかが多い。

 また、サンダルのようなフラットな靴は、土踏まずを支える部分がアーチ状になっていない。腰革がないので、側面のサポートもない。足を固定するものが何もないため、転倒、足首のねんざなどの原因にもなりうるという。

 糖尿病の人は靴選びとフットケアに、格別の注意が必要だ。糖尿病をもっている人が、血糖コントロールが不良の状態が続くと、足の血液循環が悪くなったり、神経障害が進行し神経麻痺が引き起こされる。

 そのため、足にケガがキズができても、痛みを感じにくくなっており、悪化させやすい場合がある。「高血糖状態が続くと、皮膚の感染への抵抗力も低下するので、傷などを治す働きも鈍くなる。その結果、靴ずれや小さな外傷などでも、そこから急速に悪化してしまう危険性がある」とトンプソン氏は説明する。

 糖尿病の人が新しい靴を買うときの注意点として、下記のことをアドバイスしている。

  • 足のサイズは時間とともに微妙に変化するので、周期的に測定する。靴を買うのは、足の体積がもっとも大きくなる午後遅い時間がよい。心臓病や腎臓病の問題を抱える人であれば特にそうした方がよい。
  • ふだん履き慣れているソックスがもっとも足にフィットしている。はき慣れているソックスを履いて靴を選ぼう。
  • 足の縦のサイズだけでなく、横のサイズにも注意する。親指の空間に少し余裕をもたせ、なるべく足にフィットする靴を選ぶといい。

 「新しい靴を買った場合は、数日試し履きをして、靴が本当に足にあっているかを確認するとよい。1〜2時間、靴を着用していてて、足に傷や水疱ができていないか、足をチェックすることが大切だ。次の日は3〜4時間着用してみて、靴を快適に感じられるかをチェックする。もし異常があらわれている場合は、医師や専門家に相談してほしい」と述べている。

The Best Shoes for People with Diabetes(ジョスリン糖尿病センター)
Foot Care for People with Diabetes/Reduced Blood Flow(足の予防衛生研究所)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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