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2012年07月02日

毎日コーヒーを飲む中高年は健康 糖尿病リスクが減少

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食事療法
 1日にコーヒーを3杯以上飲む高齢者は、まったく飲まない人に比べ生活習慣病で死亡するリスクが10%低いことが、米国の40万人以上を対象とした大規模研究であきらかになった。この結果はカフェインの有無にかかわらず、コーヒーを飲む50〜71歳の成人に当てはまるという。この研究は、医学誌「New England Journal of Medicine」5月17日号に掲載された。

 研究では、「NIH(米国立衛生研究所)-AARP(米国退職者協会)食生活・健康調査」に1995〜1996年に登録した男女約40万人の食習慣に着目。研究開始時点で被験者にがん、脳卒中、心疾患の既往はなかった。

 調査開始時にコーヒーの1日の摂取量について、0杯〜6杯以上の範囲で被験者に尋ね、2008年または死亡するまで健康状態を追跡した。その結果、1日に飲むコーヒーが1杯だけでも全死亡リスクが低下するほか、心臓病、呼吸器疾患、脳卒中、2型糖尿病、感染症による死亡リスクが低下することがわかった。

 コーヒーを1日3杯以上飲む人では、死亡リスクが10%低下していた。一方で、1日2杯と6杯との間ではほとんど差が認められなかったという。

 「コーヒーは米国でもっともよく飲まれている飲料だが、コーヒー摂取と死亡との関連はあきからにされていない。今回の研究で、コーヒーが死亡率を低下させることが示された」と米国立がん研究所のNeal Freedman氏は話す。

 「コーヒーにはポリフェノール(クロロゲン酸類など)が豊富に含まれるほか、1,000を超える化合物が含まれる」とFreedman氏は説明する。2型糖尿病などの発症リスクがコーヒーの摂取により低減されるとの研究は過去にも発表されており、コーヒーポリフェノールは注目されている。

 ポリフェノールの代表的な効果は抗酸化作用で、活性酸素による酸化を防ぐ。活性酸素は主に体内で作られる不安定な酸素で、過剰の活性酸素は細胞や遺伝子を傷つけ、がんの一因にもなるといわれている。血液中では脂質と反応し、動脈硬化や心筋梗塞といった生活習慣病の引き金にもなる。

 Freedman氏は「コーヒーのどの成分に予防効果があるのか、メカニズムはまだあきらかになっていない。現時点では、コーヒー以外の生活習慣が影響している可能性もあるため、コーヒーを飲む量を増やす前に医師に相談することを勧める」としながらも、「コーヒーと死亡率低下の因果関係は不明だが、少なくともコーヒーの飲みすぎにより健康に悪影響があらわれることはなさそうだ」と説明している。

NIH study finds that coffee drinkers have lower risk of death(国立がん研究所 2012年5月16日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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