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2012年07月03日
リンゴの皮がカロリー燃焼を高め糖尿病を改善
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リンゴの果皮に含まれるウルソル酸は、天然の筋肉増強剤として作用すると、新しい研究は示唆している。マウスを使った動物実験で、ウルソル酸を摂取することで、筋肉量が15%増え、体脂肪を低減することが示された。さらに、血糖値やコレステロール値、中性脂肪値を低減する健康効果もあるという。
数週間にわたって高脂肪食を与えたマウスを、ウルソル酸を摂取する群と摂取しない群に分けて調べたところ、ウルソル酸摂取群マウスの体重増加率は小さく、血糖値はほぼ標準値になっていることがわかった。ウルソル酸を摂取させたマウスでは、肥満関連の脂肪肝もみられなかった。
脂肪細胞には白色と褐色の2種類がある。褐色脂肪は褐色脂肪組織に含まれる脂肪で、首や肩甲骨などに多い。この組織はミトコンドリア含量が高いことから褐色にみえる。褐色脂肪はエネルギー燃焼を高めるが、その量は加齢とともに減っていく。
実験により、ウルソル酸をとることで筋肉や褐色脂肪の量は増え、動物の体力や持久力は増強することが確かめられた。褐色脂肪が増えると、カロリー消費量が増加する。その結果、血中の糖や脂質が正常なレベルに保たれ、肥満や糖尿病を防げると考えられている。
「リンゴの皮に含まれるウルソル酸は、骨格筋と褐色脂肪を増加させ、カロリーの燃焼を増やす。このことが、肥満や糖尿病前症、脂肪肝疾病に対して保護的に作用する」とアイオワ大学のChristopher Adams氏(内科学)は説明する。
ウルソル酸が褐色脂肪をどのように増やすかというメカニズムはあきらかになっていない。そのメカニズムを解明してヒトにおける有効性を検証する予定である、と研究者らは報告している。
Apple peel compound boosts calorie burning, reduces obesity in mice(アイオワ大学 2012年6月20日)
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