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2012年06月22日

肥満が増え続けると地球が食料危機に 英大研究

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糖尿病と肥満
 増え続ける肥満は、世界の食料供給を脅かす深刻な問題だとする研究が発表された。

 この研究論文は、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究チームによるもので、医学誌「BMCパブリック・ヘルス(BMC Public Health)」に発表された。

 肥満は心臓病や2型糖尿病などの生活習慣病の原因となるだけでなく、食料問題にも深刻な影響を及ぼす。研究者らは、先進国で肥満が増え続ければ、限りある地球の資源への大きな脅威となると警鐘を鳴らしている。

肥満が増えると10億人分の余分な食料が必要となる
 肥満が増えるとカロリー摂取量が増え、余分な食料が必要となる。運動や身体活動などで消費されるカロリーはおよそ半分だ、安静にしているときでも肥満の人ではより多くのカロリーが必要となる。

 過体重や肥満が集中しているのは先進国だ。とくに北米では肥満が急増している。成人体重の世界平均は62kgだが、北米の平均体重は80.7kgだ。

 研究によると、全ての国で肥満度指数(BMI)の分布が米国並みになると、生物体(バイオマス)の消費量は5,800万トン増加するという。

 肥満者の過剰な体重を維持するために必要なカロリー総量で、標準体重の人を1億人も養える計算になる。もしも人類が米国並みのペースで太り続ければ、将来の地球では今よりも10億人分、必要な食料需要が増えることになると研究チームは警告している。

 世界保健機関(WHO)のデータによると、世界の成人の総体重は2億8700万トンだが、1,500万トンは過体重によるもので、350万トンは肥満によるものだ。とくに肥満の多い北米は、人口は世界全体のわずか6%を占めるが、生物食料の34%を消費している。

 世界の肥満人口は、2050年までに89億人に上昇すると予測されている。「肥満人口の増加は、世界の食料供給のバランスを壊す原因となる。肥満人口は食料問題の観点から大きな問題となっている。食料と肥満の両面から、いますぐ問題に取り組むことが必要だ」とロンドン大学衛生熱帯医学大学院のIan Roberts教授は指摘している。

The weight of nations(ロンドン大学衛生熱帯医学大学院 2012年6月18日)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

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