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2012年06月19日
料理の回数が多いと長生きできる 台湾調査
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生活が豊かになると家で料理をする頻度は減っていく。家庭で料理する代わりに外食や調理済みの食品を利用する機会が増えている。研究者によると、先進国では経済成長により、家庭で料理する頻度が半分以下に減っているという。
台湾とオーストラリアの合同研究グループは、台湾に在住している65歳以上の高齢の男女1,888人を対象に、家庭での料理の頻度と寿命との関連を調査した。
その結果、もっとも長生きするのは、家で料理をする人であることが判明した。
料理の頻度は、▽「ほとんど料理をしない」が全体の半分近い43%、▽「週に1〜2回」が17%、▽「週に5回以上」が31%だった。
このうち、10年の研究期間中に695人が死亡したが、もっとも死亡率が低いのは男女ともに「週に5回以上」料理したグループで、もっとも高いのは「料理をしない」グループだった。
家でよく料理をするグループは、食物繊維とビタミンCの摂取量が多く、コレステロールの摂取量が少ない傾向がみられた。料理の頻度の高いと、毎日の食事を楽しんでおり、公共の交通機関をよく利用し、ウォーキングやサイクリングなども行い、喫煙や飲酒も控えている傾向がみられた。
男性と女性では料理のスキルに差があり、買い物をしても食品の選択に違いが出てくる。家庭の主婦であれば料理に慣れており、家族の食事での栄養摂取に対する気配りにも長けている可能性がある。
「自分だけのために料理をする男性は、家族のために料理を長年つくってきた女性に比べ不利かもしれない。この違いは高齢化にともない、さらに大きくなるだろう」と研究者はコメントを寄せている。
「料理は、生産から購入、実際の調理作業までの行程を考えると、かなり知的な営みだといえる。料理は生活において大きな位置を占め、生涯教育、公衆衛生、都市計画、家庭経済学など、さまざまな観点からみることができる。健康的な食事を調理できる人であれば、健康的な生活にまで気配りができる可能性がある」と台湾の国立衛生研究院のMark Wahlqvist教授は話す。
Frequent cooking will help you live longer(ケンブリッジ大学 2012年5月15日)
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