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2012年06月13日
小児・若年の糖尿病が増えている 1型糖尿病は23%増加
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- 1型糖尿病
第72回米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会
米国ではじめて全国的規模で行われた小児・若年の糖尿病に関する調査研究で、米国ではこの10年で、1型糖尿病と2型糖尿病が2割以上も増加していることがあきらかになった。フィラデルフィアで開催された米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会で発表された。
米疾病管理予防センター(CDC)と米国立衛生研究所によって資金提供されている大規模研究「SEARCH for Diabetes in Youth study」は、サウスカロライナ州、オハイオ州、コロラド州、カリフォルニア州、ワシントン州の5つの地域で、小児や20年歳未満の若年者を対象に糖尿病の発症や治療について調査が行われている。 その結果、若者の2型糖尿病は2001年から2009年にかけて21%増加し、1型糖尿病は23%増加したことが判明した。20歳未満の糖尿病患者数は18万9,000人で、うち16万8,000人は1型糖尿病、1万9,000人が2型糖尿病だった。 「成人の病気とみられていた2型糖尿病は、若い世代でも増えている。世界的にみると、1型糖尿病と診断される若年患者数は、年3%の割合で増加している。米国で行った調査でも、1型と2型の両方の患者数が増加していることがあきからになった。米国で毎年、1型糖尿病と新規に診断される数は1万5,000人、2型糖尿病は3,700人だ」とアトランタ疾病管理予防センターのGiuseppina Imperatore氏は話す。 また同日発表された別の調査研究では、1型患者患者の多くは治療目的を達成していないことがあきらかになった。「若者のうちに糖尿病を発症し適切な治療を行っていないと、成人になってから心臓病や腎臓病、神経障害、視覚障害などの糖尿病合併症の危険性がより高くなる」とコロラド大学のDana Dabelea氏は話す。 初期の糖尿病腎症は、アルブミン尿検査で判定する。5,000人の患者グループを4年間追跡した調査では、17%にアルブミン尿が認められた。その割合は、インスリン抵抗性を示し糖尿病自己抗体が認められない小児患者が17%でもっとも高く、インスリン抵抗性がなく自己抗体のある患者が8%と最低だった。 テレビの視聴時間も、血糖値や脂質値に影響することがあきからになった。10歳以下の小児糖尿病患者1,400人を対象とした調査では、テレビの視聴時間が長くなるとHbA1cが上昇する傾向がみられた。また、毎日3時間以上テレビを見る子供では、テレビをあまり見ない子供に比べ、中性脂肪値は上昇していた。 神経障害の影響は小児や若者においても、成人とほぼ変わらないという。「糖尿病神経障害の危険性の高い小児や若者の患者は多い。多くの患者に徴候が示されている」とDabelea氏は話す。 1型糖尿病は自己免疫疾患(免疫機能が自分のからだに対して働いてしまう病気)などで、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されて発病するタイプの糖尿病。2型糖尿病と異なり、生活習慣と関係なく発病する。 1型糖尿病の患者数は米国だけでなく、欧州の研究でも増えている。その理由は不明だが、研究者はいくつかの仮説を示唆している。ひとつは、生活環境が衛生的になり、ウイルスやバクテリアに対する体の免疫的作用が過剰にはたらいてしまうおそれがあること。もうひとつは、環境の変化にともない子供の成長が早まっていること。早い時期から体重増加が起こり、過負荷をかけ自己免疫の攻撃を引き起こしているおそれがある。 いずれにしても、2型は若年で肥満が広がっていることと関係がある一方、自己免疫性の疾患である1型が増加している理由ははっきりしないという。 Diabetes Rates Increase Significantly Among American Youth(米国糖尿病学会 2012年6月9日)
SEARCH For Diabetes In Youth
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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