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2012年06月13日
子供の糖尿病も早期治療が重要 若年患者も高血圧や腎症を発症
第72回米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会
米国では、成人だけでなく、子供の2型糖尿病も深刻な問題になっている。小児2型糖尿病患者は、成人の2型糖尿病患者に比べ、早期からインスリン療法の適応となる症例が多く、糖尿病の初期合併症の発症も多いことが、米国で行われた大規模研究であきらかになった。フィラデルフィアで開催された米国糖尿病学会(ADA)年次学術集会で発表された。
「若年2型糖尿病研究(TODAY研究)」は、米国各地の15ヵ所の医療機関で10〜17歳の2型糖尿病の小児・若年患者699人対象に、2〜6年間追跡して調査した研究。 研究は、インスリン抵抗性改善薬であり膵β細胞機能の保護作用も期待できるロシグリタゾンと、ビグアナイド薬に分類されるメトホルミンを組み合わせることで、インスリン療法への移行を25%低下できるとする知見にもとづき行われた。現状では米国食品薬品局(FDA)によりこの治療法は制限されており、この治療法の効果と安全性を調べる必要性があった。 メトホルミンによる治療は、ランダム化比較試験では、2〜4ヵ月は良好な血糖コントロールをもたらすことが示された。「ほぼ半数の2型糖尿病の子供はメトホルミン療法により良好に血糖コントロールできることがわかった」とコロラド大学小児科学のPhil Zeitler博士は話す。残りの半数については、どの治療法が最良であるかを慎重に見極めなければならないにしても、インスリン療法が有効な選択肢となるだろう」としている。 「ロシグリタゾンとメトホルミンの組み合せによる治療は安全性が高く、小児においても有効だ。β細胞機能を保護し、HbA1cと血糖値の悪化を防ぐために、早期から複合的な治療を積極的に進める必要がある」とボストンのジョスリン糖尿病センター小児科のLori Laffel氏は話す。 研究者らは、小児や若年の糖尿病患者では、早期の診断と治療開始が重要となる点を強調している。これらの患者では、糖尿病を発症してから合併症があらわれる期間が短く、成人してから深刻な障害がもたらされるおそれがあるという。 糖尿病の子供においても、成人の糖尿病と同様の合併症がみられる。研究では、子供の場合は発症してからの期間が短いことが示された。研究終了時までに対象となった子供の3分の1に高血圧が認められた。研究開始時から4年未満で、17%近くに初期の腎臓病のマーカーとなる尿中アルブミンの高値が認められ、13%に眼疾患の徴候が認められた。 「糖尿病の合併症において特に注意が必要なのは、心疾患と微小血管疾病だ。糖尿病の子供は成長してから10〜20年ほどで、深刻な健康上の問題を抱えるようになる。早期からの治療開始が重要だ」とZeitler博士は述べている。 Children with Type 2 Diabetes Exhibit High Rates of Hypertension, Early Markers for Kidney Disease and Other Comorbidities(米国糖尿病学会)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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