ニュース
2012年06月04日
健康食品やサプリメントに注意「思わぬ副作用も」
- キーワード
- 食事療法

健康食品や栄養補助食品として売られている食品の中には、効果は弱いにしても医薬品に似た作用をもつものがあり、医薬品と併用すると薬効を上昇、あるいは低下させるものがあるという研究が発表された。「なかには生命を危険にさらすものもあるので注意が必要だ」と研究者は呼びかけている。
「“自然食品”であることが“安全”を意味するわけではない」とマサチューセッツ総合病院のCatherine Ulbricht氏は話す。
植物成分が含まれたり栄養補助などの機能性があることをうたった栄養飲料や栄養バーが売られているが、そうした食品を医薬品と併用した場合の相互作用は予測が難しいという。「なんらかの薬効がある食品は、副作用や相互作用を引き起こすおそれがある」と強調している。
健康食品の相互作用について知らないで利用している人が多い。ハーブ系サプリメントや健康食品の中には、医薬品と併用すると相互作用が起こる危険性のあるものがある。「薬物療法を行っている患者に対しては、健康食品の医薬品の相互作用について医師は注意を払うべきだろう」とUlbricht氏は説明する。
たとえば、ニンニク、イチョウ、ショウガ、ノコギリパルメットなどは出血リスクを増加し、クロム、シナモン、乳清タンパク質などは低血糖を引き起こすことがある。トウキ、サラシナショウマ、葛、ノコギリヤシはホルモンに影響を与え、アカネグサ、緑茶、サンザシ、マテ茶は高血圧の原因になりえるという。
米国糖尿病学会(ADA)はサプリメントや健康食品の利用に関して、次のようにアドバイスしている――
- サプリメントや健康食品を利用するときは、科学的なデータによる情報や、専門知識をもった身近な助言者などを活用しましょう。
- かかりつけの医師や薬剤師、ドクター、アドバイザリースタッフは、栄養補助食品の安全性および有効性に関する情報のための信頼できる情報源になります。どのようなサプリメントを利用するにしても、必ず相談しましょう。
- かかりつけの医師にサプリメントの利用について伝える場合は、サプリメントの種類と量のリストを作っおくと便利です。サプリメントが必要な理由も伝えましょう。
- 一般的に医師の方からサプリメントについて患者に尋ねる機会は多くありません。自分から医師に相談してみましょう。
- サプリメントからとる場合は、用法・用量を守り、病気などで食事制限のある場合は、医師の指示に従ってください。
- サプリメントなどを服用している場合でも、処方された糖尿病の薬の服用はやめてはいけません。
- サプリメントの利用が血糖値や血圧値、コレステロール値などに影響することがあります。利用を始めるときは、副作用や相互作用について確認しましょう。
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
食事療法の関連記事
- 魚を食べている人は糖尿病リスクが少ない 魚は脳の健康にも良い 中年期の食事改善は効果が高い
- 朝食をしっかりとると糖尿病が改善 血糖管理に大きく影響 朝食で「お腹ポッコリ」肥満を予防
- 「超加工食品」の食べすぎは糖尿病リスクを高める 筋肉の質も低下 「自然な食品」はリスクを減らす
- 糖尿病の食事に「ブロッコリー」を活用 アブラナ科の野菜が血糖や血圧を低下 日本でも指定野菜に
- 糖尿病の人はビタミンやミネラルが不足 「食の多様性」が糖尿病リスクを下げる 食事バランスを改善
- 糖尿病の人は脂肪肝にご注意 ストレスはリスクを高める 緑茶を飲むと脂肪肝が減少
- 「玄米」で糖尿病を改善 食事では「低GI食品」を活用 血糖値を上げにくい新しい米を開発
- ウォーキングなどの運動は糖尿病の人に良い 運動で食欲も抑えられる 認知症の予防にもつながる
- アルコールの飲みすぎは危険 糖尿病・高血圧・肥満のある人は肝臓病リスクが2.4倍に上昇 飲酒により糖尿病リスクが上昇
- 【Web講演を公開】2月は「全国生活習慣病予防月間」
今年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」