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2012年02月07日
歯周病は糖尿病合併症 血糖コントロールと口の中の健康
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- 糖尿病合併症
歯周病と糖尿病など全身疾患との関連は注目されている。また、歯周病は「糖尿病の第6の合併症」といわれるように、糖尿病患者には歯周病が多いことも知られている。


歯周病は糖尿病の第6の合併症
厚労省の歯科疾患実態調査によると、40〜70歳の約半数は歯肉に歯周病の原因となる歯周ポケットをもっているという。年齢が高くなるほど、口腔機能は低下していく。歯周病は、国民の健康にとって大きな脅威となっている。
歯周病は、歯の周囲の歯茎などの組織に細菌が感染して起こる慢性的な感染症。歯周病は以前から、糖尿病の合併症のひとつとされてきた。実際、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いとの調査報告も発表されている。
さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化する、という逆の関係もあきらかになってきた。歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっており、歯周病のある人では血糖コントロール不良のリスクも高くなる。
歯周病にかかると糖尿病も悪化するメカニズムには不明の点も多いが、歯周病で弱ったハグキから、歯周病菌の毒素やハグキから出た炎症性物質が血流に入り込み、インスリン抵抗性を高めるためではないかと考えられている。
オーラルケアでよく知られているサンスターは、世界有数の糖尿病治療・研究機関で教育機関としても知られる米ハーバード大学医学部附属のジョスリン糖尿病センター(マサチューセッツ州ボストン)と、糖尿病と栄養との関連性や、糖尿病と歯周病など口腔内の疾患との関連性について、共同で啓発活動をしている。
2型糖尿病の人が歯周病ケアを適切に行うと、きちんと噛める歯を保ち、バランスの良い食事をおいしく食べられることや、血糖コントロールが良化する場合もあることが紹介されている。
歯周病の直接の原因は、歯みがきが充分でないときに歯の周りに着く汚れであるプラークに含まれる細菌。したがって、歯みがきの良くない人に歯周病は起こりやすくなる。
歯周病予防の基本は、ずばり細菌=プラークを口の中から減らすこと。毎日の歯みがきや定期的な歯石除去が有効な手段となる。ハブラシによる歯みがきに加え、歯間ブラシや殺菌効果のあるハミガキ剤、デンタルリンスなどを併用すると効果が上がり、細菌の数を少なく抑える効果を期待できる。歯周病も糖尿病もうまく管理していくために、 毎日の歯みがきを少し見直してみたい。
「糖尿病とうまくつきあう」ポータルサイトを公開
サンスターは2月1日、「糖尿病とうまくつきあう」ポータルサイトの公開を開始した。糖尿病患者を対象としたコミュニティーや、糖尿病管理のための生活のヒントなどを紹介している。 同社は「お口の健康と全身の健康」を考える「Mouth & Body(マウス&ボディ)」へと事業領域を拡大し、オーラルケア事業の領域にとどまらず情報発信に取り組み、医科と歯科の連携を支援する活動にも取り組んでいる。
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日本医療・健康情報研究所
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