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2009年05月20日
肥満予防と適正体重の維持はエコにもつながる
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- 糖尿病と肥満

ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院 疫学・公衆衛生学部門のPhil Edwards氏らによると、地球温暖化の要因は食料生産であり、食料の生産や輸送に必要なエネルギーや燃料消費の増加は、温室効果ガスによる地球温暖化につながっている。
試算によると、肥満の多い社会では適正体重の多い社会に比べ、食料生産に必要なエネルギー排出量は10億人当たり年間2.7億トンから8.1億トン増加し、食料輸送などを合わせると増加分は4.4億トンから9.8億トンに上るという。一方で、肥満の少ない途上国では食料の消費量はおよそ2割少ない。
Edwards氏らは「体重が増え肥満になると、体の維持や活動のため食事の摂取量が多くなる。これは燃費の悪い車を乗り回すのに似ている。体が重くなるにつれ運動は困難で不快なものになり、車に依存するようになる。肥満を予防し標準体重を維持することは健康だけでなく、環境にとっても良い面がある」と述べてい
標準体重の人では輸送に要するエネルギーもより少なくて済み、温室効果ガスの排出も少なくなる。世界的な肥満の増加について「肥満予防は気候変動を減速するためにも重要。肥満へ向かう動向をくいとめる努力をもっと行うべきだ」と指摘してい
日本人では欧米人に比べ「BMI 30以上」は少ないが、男性では全ての年齢層でBMI 25以上の割合が20年前、10年前と比べて増えた。「2007年国民健康・栄養調査」によるとBMI 25以上の肥満の割合は1976年は15.2%だったが、2007年には30.4%になり30年でほぼ倍増した。
適正体重の維持は地球環境にも良い(ロンドン大学リリース、英文)
International Journal of Epidemiology, doi:10.1093/ije/dyp172(英文)
関連情報
都市環境が肥満や糖尿病に影響 カナダ・米国の調査(糖尿病NET)
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