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2009年01月29日
海藻の栄養 内臓脂肪を減らす効果も
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海藻には体の健康を保つ上で大切なはたらきをする食物繊維やミネラルが多く含まれ、エネルギー量や脂肪は少ない。さまざまな研究で海藻のもつ力が明らかになってきた。
食物繊維は、食物が胃や小腸を通過する時間を長くし、炭水化物や脂肪などの吸収を遅くする作用がある。糖尿病患者にとっては、食後高血糖の抑制や、コレステロールの低下という嬉しい作用を期待できる。すぐれた保水性を備えており、腸内物の容積を増大し腸のはたらきを活発にするので、便秘対策にもなる。
海藻にはマグネシウム、ヨウ素、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれる。マグネシウムやヨウ素はコンブなどに多く含まれ、カルシウムはヒジキなどに、マグネシウムはアサオに、鉄分はアオノリに、ビタミンB群はノリに豊富に含まれる。海藻は加工食品であると、ノリの佃煮などのように塩分の多いものが多いので、乾物を上手に利用するのがコツだ。
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米国で2006年4月に発表された研究では、海藻やホウレン
日本の食卓で親しまれている代表的な海藻であるワカメに、内臓脂肪を減少させる作用があるという研究
海藻は太陽光線の届きにくい海中で生息するため、光をよく吸収できるように陸上の植物にはない独自の色素をもっている。ワカメには褐色の色素「フコキサンチン」が多く含まれている。研究グループはこのフコキサンチンの作用で内臓脂肪が減少し、体重が5〜10%減ることを、マウスを使った動物実験で確かめた。フコキサンチンが脂肪がエネルギーへ変換するはたらきをする蛋白質を刺激するのではと考えられている。また、フコキサンチンは多価不飽和脂肪酸の一種であるDHAの産生を促すことも分かった。DHAは血清脂質を低下させたり、血小板の凝集能を抑えて血栓(血液の塊)ができにくくする作用があ
Circulation. 2006;113:1675-1682(英文/要約)
21世紀COEプログラム「海洋生命統御による食糧生産の革新−海の生物の高度で安全な活用を目指して」
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